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続・続・熱いゲーム業界

この連休は全国的に天気に恵まれ、どの観光地も大盛況だったようだ。私は何年か前に観光地で大渋滞に巻き込まれ、懲りたことがある。それ以来、連休に観光地には近寄らないようにしている。家族サービスからも手が離れたので、連休は全時間やりたいことをして過ごす。この連休に没頭したことの一つはゲーム業界の企業研究である。先週もメルマガでご紹介したが、ゲーム業界が今、勢力図が刻々と変化していてたいへん面白いのだ。

まずは家庭用ゲーム機の販売台数の状況を見てみよう。

1位:任天堂 3DS(1,353万台) DS(510万台) Wii(984万台)
2位:ソニー・コンピュータエンタテインメント
PS3(1,390万台) PS2(410万台) PSP(680万台)
3位:マイクロソフト Xbox360(1,300万台)
(「世界のエンタメ業界地図 2013年版」より)

この 3大メーカーが世界を制しているわけだ。かつてはゲーム機で高いシェアを取ることが勝利の方程式だったが、家庭用ゲーム機市場は昨年、ついに前年割れした。しかし関係者はまだ強気である。その根拠は昨年末に任天堂 Wii-U が発売になって販売台数を伸ばしていることと、今年の年末にはマイクロソフトとソニーから新しいゲーム機の発売がアナウンスされていることから、市場はまだ拡大するというのだ。
→ http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130419/biz13041918350024-n1.htm

私は「もう伸びない。むしろゲーム機市場はどんどん縮小する」とみている。これまで日本が世界を牽引してきたゲーム市場だが、これまでの累計販売本数が高いゲームソフトは次の通り。(参考:ウィキペディア)

1.Wii Sports Resort (Wii 2768万本)
2.はじめてのWii (Wii 2738万本、Wiiリモコン同梱)
3.マリオカートWii (Wii 2700万本)
4.New スーパーマリオブラザーズ (DS 2688万本)
5.Nintendogs (DS 2326万本、全5バージョン含む)
6.Wii Fit (Wii 2261万本)
7.New スーパーマリオブラザーズ Wii (Wii 2194万本)
8.マリオカートDS (DS 2104万本)
9.ポケットモンスター 赤・緑 (ゲームボーイ)
10.川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング (DS 1872万本)
11.スーパーマリオブラザーズ3 (ファミリーコンピュータ 1800万本)
12.ポケットモンスター ダイヤモンド・パール (DS 1739万本)
13.グランド・セフト・オート・サンアンドレアス (PS2 1733万本)
14.ポケットモンスター 金・銀 (GBC 約1520)
15.ソニック・ザ・ヘッジホッグ (1500万本)
16.グランツーリスモ3 A-spec (PS2 1489万本出荷)
17.スーパーマリオランド (GB 1400万本)
18.東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング (DS 1371万本)
19.ポケットモンスター ルビー・サファイア (GBA 1300万本)
20.ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー (DS 1190万本)

夢中になったなつかしいゲームもあれば、初めて聞いたソフトもある。

また、最も売れているゲームシリーズを売り上げ順に並べるとこうなる。

1位:マリオシリーズ (2億2200万本)
2位:ポケットモンスター (1億9300万本)
3位:テトリス (1億2500万本)
4位:ザ・シムズ(英語版) (1億2500万本)
5位:ニード・フォー・スピード (1億本)
6位:ファイナルファンタジーシリーズ (9600万本)
7位:マッデンNFL (7500万本)
8位:ソニックシリーズ (7000万本)
9位:グランド・セフト・オートシリーズ (7000万本)
10位:FIFAシリーズ (6500万本)

一番売れたゲームソフト「Wii Sports Resort」は 1本 4,800円なので約 1,330億円の市場を作ったことになる。またマリオシリーズは累計で 2億 2200万本なので、一本 4,000円平均として 8,880億円の売上をゲームだけで稼いだわけだ。それ以外に関連グッズや書籍などを含めれば優に 1兆円を突破するだろう。二位のポケモンシリーズも映画などのすそ野が広く、これまた 1兆円を突破するマーケットを創出しただろう。

昨年の国内スポーツ用品市場が 1兆 2800億円といわれる。ゴルフや野球、サッカー、テニス、マリンスポーツなどあらゆるスポーツ用品の市場合計が 1.3兆弱なのだから、いかにゲームで 1兆円というのが凄いことなのかが想像できよう。

しかし、どなたも感じておられるように、テレビにゲーム機をつないで遊ぶというスタイルはあまり見られなくなった。それにかわって携帯電話やスマートフォン(タブレット含む)に主戦場が移りつつある。しかも急速に。

「パズル&ドラゴンズ」を大ヒットさせたガンホーオンラインエンターテイメントの月間売上高が 100億を超えたと報じられた。その大半が「パズドラ」によるものと見られ、月間 70億から 80億円の課金売上を AppStore と Googlep Play からあげている。一本のソフトだけで年間数百億円稼ぐことが可能なのはネットだから。App Store で発売されて 1年以上になるが、その間に新しいモンスターやダンジョンを追加するなどしてゲームを更新し続けてきているのだ。パッケージソフトではできない芸当がネットアプリなら可能になる。

ガンホーの今期第一四半期の決算発表が明後日(5月7日)に行われるが、その内容はビックリ仰天の好決算になる可能性が高い。その好決算が投資家の予想を超えるものであればどうなるか。すでに 1年で50倍になった同社の株価がさらに高騰する可能性がある。