ロビー活動とは、特定の主張をもつ個人または団体が政治家に働きかけて影響を及ぼそうとする活動のことをいう。
議会の議員、政府の構成員、公務員などが対象となる。ロビー活動を行う人のことをロビイスト (lobbyist) という。
語源はホテルの「ロビー」である。
オックスフォード英語辞典では、語源について次のように解説しているそうだ。(出典「ウィキペディア」)
ロビー活動は 1869年から 1877年にアメリカ政府を率いたユリシーズ
・S・グラント大統領の時代に本格化した。ヘビースモーカーで有名だったグラントは、妻からホワイトハウスで喫煙することをかたく禁止されていた。
そこでグラントは、近くにあるウィラード・ホテルに行ってロビーでしばしば葉巻を楽しんだ。彼がこの場所に出没することを知った関係者たちは、ニコチンを吸って上機嫌な大統領への陳情をこの場所で行うようになった。世界で最初のロビー活動はワシントンのウィラード
・ホテルで行われたわけだ。
仮にグラント大統領がロビーではなく別の場所で葉巻を吸っていたら、「ロビー活動」ではなく「ストリート活動」や「パーク活動」になっていたかもしれない。「トイレ活動」や「ベランダ活動」でなくて本当に良かった。
日本では、ロビー活動など政治家と企業が癒着してけしからん、というイメージがある。そのせいか、自らロビイストを名乗る人は少ないし、企業もロビー活動に予算を割くという概念が乏しいように思う。しかし、アメリカではロビー活動がたいへん盛んなようだ。
米国グーグル社やフェイスブック社では、今年の 1月から 3月にかけての四半期で 250万ドル、340万ドルをロビー活動に使ったという。その一方、アップルの創業者・スティーブジョブズ氏は生前、ロビー活動にあまり時間とお金を使わない主義だったようで、年間 200万ドル未満に抑えてきた。
だからというわけではなかろうが、アップルのティムクック CEOが最近、米上院公聴会から喚問をうけることになった。アップル社が租税回避のために 1000億ドルもの資産を海外に逃避しているとは何事だ!とえらくご立腹のようである。
公聴会は 5月 21日に開かれた。全米が注目し、日本でも大きく報道されたので記憶に新しいところである。
クック氏はこの公聴会どのように乗り切ったのだろうか。