「あそこのお店の看板メニュー ”特選ロースカツ丼” はめちゃくちゃ美味しいよ~。カラッと揚がったカツにサクサクの衣。その上に乗るフワフワのときたまごのダシが秘伝のタレとも言われていて、カツとの相性が抜群なの。新鮮な豊橋産のキャベツがコシヒカリの上にビッシリ敷かれていて、それらがトンカツ、とき卵とお口のなかでブレンドされて、誰もが夢中になっちゃうことでしょう。一口目から最後のお米一粒まで、「ずっとこのまま食べていたい」という気持ちになる究極の丼ですね。それで一杯 580円なんだからやみつきになる人続出。本当は誰にも教えたくないお店です」
「うまそ~、そのお店どこ?」
営業力がある人はプレゼンがうまい。美味しかった料理や面白かった映画や本についてその人が語ると聞く人に影響を与え、行動を引き出す。その反対にプレゼンが下手な人は聞き手に影響を与えることはない。
「みやざき中央新聞」(2013年 6月 10日号)に次のような話題が載っていた。
ある場所で毎月一回開催されている勉強会はもともと営業職にある人のためのものだった。その会では毎回、「最近読んで感動した本」を紹介しあう時間がある。その本を読んだことがない人が読みたくなるようなプレゼンをするわけだ。会場には本の販売コーナーが設けられていて、プレゼン次第では本が売り切れたり、売れ残ったりする。この会には特別なルールがあり、売れ残った本はプレゼンした人が買い取ることになっている。だから真剣にプレゼンしようと努力する。それが本職の営業活動にもプラスになるようで、最近ではプレゼン力を鍛えたい営業職以外のメンバーも増えてきているという。
「おいしかった」「おもしろかった」「感動した」、そうした心が躍るような体験を言葉にしてアウトプットする。それが営業である。それで売れないということは、自分自身の心の躍り方に問題があるか、もしくはプレゼンの技術に問題がある。
そういえば私に「みやざき中央新聞」を教えてくれた F 社長はプレゼン上手だった。なにしろ、近くにいたすべての人が「私もその新聞を読んでみたいです」と言わせるプレゼンをされたからだ。経営者は社内の誰よりもプレゼン上手でなければならないのだろう。何しろこの会社の魅力や、将来性を社員に売り込まねばならないわけだから。例外もある。時々プレゼン下手の社長がいるが、技術志向が強すぎるとそうなりがちだ。
まずは、社内で自腹買取ペナルティ付きのプレゼン大会を企画されてはいかがだろう。楽しくプレゼンを磨きあっていくことが大切だと思う。