投資家からみて今一番ホットな株は「東京電力」ということになる。その理由は、ヤフーファイナンスにある掲示板の投稿数が一番多いからだ。ちなみに 2位「ガンホー」、3位「Klab」とゲーム関連銘柄が上位に来ている。こうした上位企業になると毎日 1,000件を超える書き込みがあり、すべてに目を通すことは不可能に近くなる。しかし、熱心な投資家は自分が投資している銘柄の掲示板は欠かさずチェックしているし、プロの機関投資家のなかにも、この掲示板をチェックしている人がいるそうだ。
★ヤフー掲示板上位企業
→ http://info.finance.yahoo.co.jp/ranking/?kd=56&mk=1
知人の 弁護士 E 氏は多忙な毎日を送りながらも株式投資はこの 20年ずっと続けてきた。時には収入よりも投資利益の方が多くなるそうだが、その E 氏には独自の判断基準がある。その一つが「ヤフー掲示板に内部告発が出たら買い」というものである。
時々、まるでその会社の社員が書いたとしか思えない内容が書き込みされる。往々にしてそれは告発に近いものだ。「社内は今こんなに残業が多くて、疲れて辞めていく社員が多い」などと労務環境の悪さについて告発される。世間ではそれをブラック企業とよぶのかもしれないし、社員からみても「残酷物語」のような話である。だが、投資家からみればそれは格好の買い材料だというのだ。
社員にハードワークを強いる、その結果辞めていく社員が表れる、辞めた社員はネットでそれを告発する、そうした流れで業績の悪い会社はほとんどない、というのが E 氏の持論なのである。具体的にいくつかの会社名をあげてくれたが、たしかにそうした会社の多くが好業績だった。ただし、告発の内容が不正経理や株価操作など違法なことであれば、それは当然売り材料になる。
ちなみに E 氏は今、資金の多くをゲームの関連企業に投資しているが、氏の日課を聞いてみた。
１．朝、日経新聞をチェックし昨夜のニューヨーク市場や為替の動きを確認する。
２．ヤフー掲示板の投稿内容をチェックする
３．iPhoneと Android のゲームランキングをチェックする
４．ネットでアメリカ、韓国、中国、ヨーロッパのゲームランキングをチェックする
そうすることで、投資先の業績が容易に想像できるようになるというのだE 氏に限らず、投資家として長く活動を続けるためには、独自の判断基準や投資スタイルを持つことが欠かせないのであろう。
