「私のことをおトウサン(倒産)と呼ぶな」と家人に命ずるほど手形決済に追われる社長の気持ちはいかばかりか。だが、どっこいそこから立ち上がり、今や押しも押されもせぬ優良企業になられた会社がある。仙台のお菓子屋さんだ。
畏友、サクセスなにわ株式会社の田中得夫さんからつぎのようなお便りを頂戴し、感動したので、原文のままご紹介したい。
(田中氏発行『成功への道しるべ (N0.139)』より
途中で諦めてしまうのは計算してしまうからです。しかし、「燃えるような欲望の持続は、チャンスをつくりだし、そのための才能・能力をも引き出してくれるのです。」という事実を忘れてはなりません。
四大紙の一面に頻繁に 「仙台に銘菓あり “萩の月” 宅配承ります」と、広告が出ていますので、ご存知の方も多いと思いますが、どんなお菓子か といわれる方に、宅配申し込みフリーダイヤルは
0120-46-3000 です。
グルメ雑誌のアンケート調査によると、女性がおみやげにもらって一番嬉しいお菓子NO.1が「萩の月」だそうです。和菓子で最も人気のあるカステラと、洋菓子で最も人気のあるシュークリームを、組み合わせたらどうか、というのが発想の原点です。このユニークなアイディアが成功の要因と思っていましたが、それも一つの要因なのですが、単なるアイディア商品でなく、何年も何年もの苦闘の結果生まれたものでした。それ故、簡単に他社が真似出来ないようです。シュークリームをカステラで包んだものを作ることは、そう難しくなく、その試作品は大変美味で大好評だったのです。問題はシュークリームの扱いで、冷蔵庫に入れた状態でないと保存が効きません。その問題が解決されないと大きな拡がりや、おみやげとして扱えません。なかなか思い通りのものが開発できず、その間ずっと苦しい資金繰りが続き、いつ倒産してもおかしくない状態で、家族に、おトウサン(倒産)と呼ぶな、と言っていたくらいだそうです。手形の恐怖から解放されたのは、ここ数年前ということで、今は仙台きっての優良企業です。
一番簡単な解決方法は、許容量の防腐剤を入れることですが、健康にもマイナスで、味も落ちるということで見向きもしなかったそうで、苦しみながらも諦めず、最高を目指し続け、現在のような包装方法が開発され、銘菓 “萩の月” の誕生となったというのです。今、新聞紙上で賑わしている某食品会社とは考え方の面で何と大きな違いでしょう。
「重要な目標の多くは、即座には達成できないものです。時間、献身、そして自己誓約が必要なのです。しかし最も悲劇的なのは、余りにも早く諦めすぎることです。もし自己誓約が中途半端なものであったら、あなたは成功への道を、なかばまで進むだけでしょう。完全な自己誓約とは、何事が起きても自分の目標を決して放棄しないことを意味します。途中でやめる人は、どんな事にでもチャンピオンになった試しがありません。」(SMIプログラムより引用)
菓匠三全 http://www.sanzen.co.jp/home.html