「やっぱりイザという時に頼りになってくれるのはカミさんなんだよね。銀行印を預けるのも、社員の給与計算をさせるのも、カミさんだと安心だしね。」という話を聞くことがある。
それに異論はないが、賛成はしない。
たしかに、自営業やSOHO、あるいは他人従業員を雇用しないファミリービジネスにおいては、夫婦・親子・親戚という血族関係ほど信頼できるものはないだろう。なにしろ無理難題がいえるし、気を使わずにすむ。ツーといえばカーで、ストレスもない。
事業の創業時には、奥さんの支援なくして成立しないことも多く、これ以上のパートナーを探すことは不可能に近い。最高の相棒だと言ってよい。だが、いつまでも奥さんの応援に頼っていてよいものだろうか?知らず知らずに甘えの関係が生まれていないだろうか。その結果、社員が入り込めない世界を作ってしまい、それが何かの“悪しき聖域”になっていないだろうか。
有能な奥さんでも、それを解雇すべき企業があると思う。
企業が、志をもった社会の公器として歩みだした瞬間、奥さんを解雇する計画をたてなければならない。有能な奥さんを解雇することほど、残った社員の意識を高揚させる手段はないのではないか。
息子の入社もトータルで見たとき、マイナスの方が多い。
あえてそれらのことを承知のうえで妻子を社内に入れる場合は、何らかの約束や期限をもつべきだろう。
異論も充分覚悟している。例外の企業も多いだろう。だが、かように思う。