読者:武沢先生は毎年の年賀状がすごい量なんじゃないですか?
武沢:いや、そうでもないよ。10年以上前から年賀状を出さなく
たせいもあって、受け取る枚数もかなり減ったね。
読者:そうなんですか?でもこうして年賀状文化が徐々に日本から
くなっていくと考えると寂しい気がしますねぇ。
武沢:正月の風物詩だからね。1949年(昭和24年)に初めて
発売されて以降、半世紀にわたって発行枚数が増えつづけた。
ピークの2003年には45億枚も年賀はがきが発行されたそうだ
しかし年々減って、今年2024年は14億枚になってしまった。
読者:それって7割減じゃないですか。それにしてもよく減りまし
武沢:減りが加速したのはスマホが普及しはじめた2010年以降
コミュニケーションがデジタル化して挨拶文化がSNSに取って代
れた格好だね。
読者:今、レンズ付きフィルム「写ルンです」が売れていますが、
の流れで年賀状がリバイバル人気になる可能性はありませんか?
武沢:それは分からないが、逆転の発想で年賀状に力を入れている
業や個人はいるよね。
読者:私などは毎年10枚ほどしかもらえないから、もらった年賀
くり返し何度も読みますもの。
武沢:枚数が減ったことで、年賀状をもらう喜びが増しているのも
実だね。そこに目を付けたある装飾品販売店では毎年2000通の
状を出している。
読者:2000通とはすごいな、私の100倍だ。
武沢:店主自ら空き時間をみつけて、6月くらいから年賀状を書き
るそうだよ。毎日10枚から20枚書いて、年末にはきちんと2,
顧客に投函するそうだ。
読者:6月から年賀状書き?なんともすごい話ですが、コスパ的に
と、どうなんですかね?
武沢:悪くないらしい。「あきらかに何百万円かの増収効果がある
と店主は言っている。年賀状に限ったことではなく、暑中見舞いに
しろ誕生祝いにしろ、あえてアナログを活用するというのも一つの
逆張り戦略と言えるよね。
読者:なるほどねぇ。どうしようかな、今年の年賀状。ちょっと考
てみたくなりました。ありがとうございました。
武沢:またいつでもお寄りください。