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決算期は3月が当たり前?

今日のYouTube新作

■廣池千九郎記念館で見た【宥座之器】(ゆうざのき)

「宥座之器」(ゆうざのき)をご存じでしょうか。
くさりにつながって斜めにぶら下がっている壺に水を注ぎます。
すると水の重みで壺はまっすぐ立ちます。
さらにもう一杯、二杯と水をそそぐと壺は急にバランスを崩し、水が全部こぼれ出てしまうのです。
中庸の大切さを説くものとして儒教では古くからこれを教材にしてきました。

決算期は3月が当たり前?

●いきなりクイズ。

1.日本企業で一番多い決算期は何月か?
2.その月を決算期にする企業は全体の何パーセントを占めていると思うか?

●まず正解から申し上げる。

1は「3月」が正解。

これはほぼ全員が正解すると思われる。
ただ問題は「2」だ。
上場企業に3月決算が多いため、非上場企業や中小企業も含めて3月決算が多そうな印象があるが、実際にそうなのだろうか。

●国税庁の統計によれば日本の申告法人数270万社のうちもっとも多いのは3月決算だが、その比率は19%に過ぎないことがわかった。
決算月は次のように比較的均等に分布されているのだ。

1月決算:約10万社(  3.6%)
2月決算:約18万社(  6.7%)
3月決算:約51万社(19.0%)
4月決算:約19万社(  7.1%)
5月決算:約22万社(  8.2%)
6月決算:約26万社(  9.7%)
7月決算:約20万社(  7.6%)
8月決算:約24万社(  8.7%)
9月決算:約29万社(10.8%)
10月決算:約13万社(4.7%)
11月決算:約10万社(3.6%)
12月決算:約28万社(10.2%)
 合計: 約270万社(100.0%)

●いかがだろう。
3月決算の会社は日本全体の2割に満たない。
社のように2月決算を選ぶ会社も少なくないことに驚きを感じる。
ただ、資本金が100億円以上の大企業になると俄然様相が変わってくる。
大企業は3月と12月に決算期が集中しているのだ。
そもそも100億円以上の資本金の会社が965社しかないわけだが、次のような分布状況になっている。

1月決算:  12社(  1.2%)
2月決算:  42社(  4.4%)
3月決算: 715社( 74.1%)
4月決算:   4社(  0.4%)
5月決算:  11社(  1.1%)
6月決算:  12社(  1.2%)
7月決算:   4社(  0.4%)
8月決算:   5社(  0.5%)
9月決算:  11社(  1.1%)
10月決算:  5社(  0.5%)
11月決算: 10社(  1.0%)
12月決算:134社( 13.9%)
 合計: 965社(100.0%)

3月決算が74%、12月決算が14%、あわせると88%がこのふた月に集中している。
大企業の決算は集中しているのだ。

●アメリカはどうなっているのかも調べてみた。
アメリカを代表する企業のS&P500社の決算月は次のようになっている。

1月決算:  22社(  4.4%)
2月決算:   3社(  0.6%)
3月決算:  12社(  2.4%)
4月決算:   5社(  1.0%)
5月決算:   9社(  1.8%)
6月決算:  23社(  4.6%)
7月決算:   4社(  0.8%)
8月決算:   5社(  1.0%)
9月決算:  26社(  5.2%)
10月決算: 11社(  2.2%)
11月決算:  6社(  1.2%)
12月決算:374社( 74.8%)
 合計  500社(100.0%)

こちらは圧倒的に12月決算が多いことがわかる。

●投資家が投資判断するときの「有価証券報告書」は決算の3ヶ月以上あとにしか公開されない。
次年度の四半期が終わるまで前年度の決算が分からないようでは困るということから生まれたのが「決算短信」というもの。

●「決算短信」とは決算の結果をなるべく早く投資家へ知らせるための速報的なものだ。
後に修正される可能性はあるが、一日も早く状況を詳しく理解するためにつくられるIR情報として「決算短信」は重視されている。
これを見逃す手はない。
あなたが投資している会社はもちろん、投資する可能性がある企業の「決算短信」はその日のうちに入手し、丹念に読み込んで投資判断に活かしてほしい。