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リスク倍増の法則

Rewrite:2014年4月1日(火)

ドラッカーはこう語っている。

「成果をあげるための秘訣を一つだけあげるならば、それは集中である。成果をあげる人は、もっとも重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。それは、貢献を行うための時間よりも、行わなければならない貢献のほうが多いからである。行うべき貢献を分析すれば、当惑するほど多くの重要な仕事が出てくる。時間を分析すれば、真の貢献をもたらす仕事に割ける時間はあまりに少ないことがわかる。いかに時間を管理しようとも、時間の半分以上は、依然として自分の時間ではない」

経営者とは、与えられた時間で成果をあげるプロフェッショナルである。また、経営者とは、他人の時間を使って組織の目的を実現する人でもある。従って、部下や協力企業の時間と貢献を管理できなくてはならない。そのためには、まず自らの時間の使い方に対して、強い関心を持ち続けていなければならない。

経営者は関心と貢献を集中しなければならないことはよく判った。

次に考えることがある。それはあなたの貢献と集中を妨げているものは何か、ということだ。

それは他人のために割く時間である。これは経営者の宿命のようなもので、そのひとつは「リスク倍増の法則」というものだ。あなたの時間を奪うという「リスク」を倍増させてしまうものがある。それを知っておこうではないか。

「リスク倍増の法則」とは私が名づけたものだが、それは、間違った人に間違った仕事を頼むとかえって経営者の時間は奪われることになるという、こわい法則だ。

法則の内容はいたって簡単。

新しい仕事をやらせるために、新しく雇用した人を使うと失敗しやすいというものだ。
すでに確立され、ルーティン化された仕事を新しい人にやらせる場合は問題がない。しかし、新しい仕事のために新しい人を採用してそれを任せるなどは、それだけでリスクは倍増する。
しかもそれを離れた事業所で運営させる、などとなるとリスクは3乗となり、ほぼ100%混乱は約束されてしまう。

新しい仕事は実績ある社員に任せる。新しい人には順調に運営されている仕事を任せる。このことを心得ておくだけでも経営者の時間リスクは軽減されるはずだ。

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