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退屈とスペイン風邪

退屈とスペイン風邪

●友人のA氏とB氏と私の三人でZoom飲みをした。

A氏の親友男性(40歳)は昨年の夏、スペインで結婚式をあげたそうだ。
お相手は友人が経営するお店で働くスペイン人で年の差20歳の情熱恋愛の末のゴールインらしい。
A氏も日本から駆けつけたそうだ。
ラ・コンチャ・ビーチというスペインでも人気のビーチリゾートでの結婚式だったわけだが、一緒に参加したA氏の奥様はこのリゾート地に感動し、再来年の「錫婚式」(すずこんしき)の旅行でまたここに来たい、と言い出したそうだ。

★ラ・コンチャ・ビーチ
https://www.excite.co.jp/news/article/Tabizine_275643/

●それにしてもぎりぎりのタイミングだった。
もし挙式が半年あとだったら結婚式すらあげられなかった可能性がある。
スペインも新型コロナ感染がふたたび深刻な状況になっていて入国者制限をしている状況だ。

●もうひとりのB氏は毎年1~2回タイに旅行するのが生きがい。
タイの風土、人柄、料理、自然、すべてが大好きらしい。B氏の家族は全員がダンスやバレエを楽しむそうで、ダンス用・バレエ用シューズの有名ブランドがタイにあることからバンコク市内の専門店で買って帰るのがB氏の役割。
しかしコロナだ。
4月に予定していた旅行が延期されたまま次の訪問日程のメドがたっていない。
タイで靴が買えないことから、ダジャレ好きのB氏いわく「これが本当のタイクツ」。

●冗談を真に受けるタイプのA氏は、「タイクツの語源ってタイの靴なの?」と信じかけていた。
私はあわてて由来をかいつまんでお話ししたわけだが、「退屈」とは仏教用語。
修行の日々に身体も心も疲れはててしまい、修行に立ち向かう心が萎えることを「退屈」という言葉で表した。
そこから、飽きて時間を持てあますことを「退屈」と表現するようになった。
決して「タイの靴」ではない。

●大笑いする三人。

最近冷房を効かせすぎてノドをやられていたA氏はZoomミーティングの間、しきりにせき込む。
それをみてB氏はふたたび冗談を言ったわけだが、さすがに今度はすぐに見やぶられた。

「Aくん、それってスペインで拾ってきた風邪じゃないよね?もしそうなら、それが本物の『スペイン風邪』だよ」

今度はだれも笑えなかった。