その他

リタイアの成功

リタイアの成功

●失業率が高くなると犯罪率や自殺率も高くなるという統計がある
今回の新型コロナによる経済の混乱がそうした良からぬものにつながらないことを願うばかりである。
「小人閑居して不善をなす」(『大学』の一節)という言葉もある
しょうにん かんきょして ふぜんをなす、と読む。打ち込む仕事がなくなり、閑(ひま)をもてあますと普通の人は悪いことをする、という意味だ。

●昨日はリタイアに失敗したフィリピン在住の日本人「アキラ先輩」をご紹介した。念のためにお断りしておくが、”失敗した”という表現はご本人のものであって私がそう決めつけたのではない。むしろ自らそれを平然と告白するアキラ先輩は並みの「小人」ではなく、私は失敗したとは思っていない。11億円もの大金をたった3年で使いきった経験と度胸と教訓を武器に今後、倍返しだって可能だろう。

●リタイア後に打ち込めるようなものがなかったり、一緒に日々の暮らしを楽しめる家族や仲間がいないと「不善」をなしてしまう私たち。
だったら、「小人」(しょうにん)ではなく「大人」(たいじん)になろう。分別と徳をわきまえ、いつも大きな目標や目的をもって生きようとする人が「大人」である。

●伊能忠敬は55歳で隠居し、それから楽隠居することもできたが、彼は学び始めた。そして17年かけて日本中を旅し、最初の日本地図を完成させたのだ。今の感覚でいえば、世界地図を作ることに匹敵するほどの壮挙といえる。

●ファーブルは56歳から「昆虫記」を書き始めた。杉田玄白が「蘭学事始」を書き始めたのは83歳からだ。
実業人にも遅咲きは多い。
レイ・クロックは52歳でマクドナルドをつくり、カーネルサンダースは62歳からケンタッキーフライドチキンのビジネスをスタートさせた。

●つまり、小人は閑(ひま)をもてあまして不善をなすが、大人は閑をつかってライフワークを成す。このライフワークのほうにこそ、人生の真の醍醐味がある。なぜなら、守るべき家族や従業員、あるいは社会的ステータスといったものを一切離れ、真の個人としての夢の追求に打ち込めるからだ。

●そんな素晴らしい時期に、健康な身体と潤沢な活動資金、それに膨大な時間があるとすれば、心躍るはずだ。
好きだからそれをやる、思う存分打ち込むことができ、なおかつ他人と約束した締め切りや納期もない。
不善をなさない大人であれば、そうした夢のような時間の使い方ができるはずだ。そうであれば、早く会社は後継者に任せてさっさとリタイアするのも悪くない。

なんだか私もリタイアしたくなってきた。

【新作YouTube】

2020夏・・・日米中の高業績企業分析からみる最新経営トレンド

4K企業とは「高成長」「高収益」「好財務」「好待遇」の四つのKを
新型コロナで世界の全産業が大打撃をこうむりました。その一方で
一部の業界はかえって潤っています。完全にまだら模様となった今回の
調査では日本だけでなく米国と中国も調査委対象に加えました。