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私にとってケチのついた「ドルビーシネマ」

※お詫び:本日発表予定の「YouTubeアンケート」の集計結果ですがまだ間に合っておらず、日曜日にあった椿事について書きます。

「ドルビーシネマ」が昨年12月、中部地区に初上陸した。
これはドルビーラボラトリーズ (Dolby Laboratories, Inc.)が開発した、最新のシネマフォーマットである。
「ドルビーアトモス」という従来からある音響システムと、「ドルビービジョン」と呼ばれる最新映像技術をあわせもつのが特徴だ。
IMAXが最高だと思ってきたが、どうやらそれを超えるものらしい。

中部地区の初作品は『スターウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』で、二本目が先週末に公開されたばかりの『フォード&フェラーリ』だった。
「ドルビーシネマ」が楽しみだったが『スターウォーズ』は時間帯の都合で通常映像を選んだ。
従って今週の日曜日の朝一に予約してあった『フォード&フェラーリ』はワクワクする思いで劇場に向かったのだが、到着していきなり衝撃を受けた。

ミッドランドスクエアシネマ(以下「ミッドランド」)に着くやいなやこんな不穏な場内アナウンスが流れたのだ。
「本日8時30分放映予定の『フォード&フェラーリ』ですが、ただいまドルビーシネマ機材の故障により補修作業中です。
放映開始が遅れる場合がありますので、次のアナウンスをお待ち下さい」。

「故障?おいおい、大丈夫か」と思っていたら5分後、最悪のアナウンスが流れた。
「ドルビーシネマ機材の復旧のメドがたたないため8時30分の回の放映は中止になりました」。
「映画が中止?なんだよ、それ」。

アルバイト学生がアナウンス原稿を下手くそに読みあげるのみである。
責任者らしき人が出て来ない。
文句を言う相手もいないまましぶしぶ払い戻しの列に加わるお客たち。
「せっかく早起きしてきたのに」「今日の予定がガタガタね」「すぐに109シネマに行けば間に合うかも」など、困惑の声があちらこちらから聞こえてきた。
特大ポップコーンとジュースを買い込んでやる気満々の高校生ぐらいの男の子がポカーンと立ち尽くしていたのが気の毒だった。

他に観たかった映画があったが時間が合わず、結局1時間後に始まる『カイジ ファイナルゲーム』にした。
こんなことでもなければ観ていない映画だったろう。

ドルビーシネマは新しい機械ゆえ、故障はつきものだと思う。
故障については劇場側も被害者かもしれないが、楽しみにやってきたお客こそ最大の被害者である。
劇場の責任者が表にでてきてしっかりと詫びるべきところだろう。
それが一切なかったことがとても残念である。
もし支配人がその時間、現場に居なかった場合はその瞬間の責任者が表にでて謝罪すべきである。
そういう仕組みがないのだろう

Twitterで検索して分かったことだが全国にある「ドルビーシネマ」ではちょくちょく上映中止が起きている。
中止チケットの払い戻しは当然として、お詫びに映画券やドリンク券が配られたりするのが一般的のようだ。
今回は単純な払い戻しだけが行われたのも残念である

Twitterのコメントによれば、ミッドランドではその日の午後、ドルビーシネマ版『フォード&フェラーリ』の放映を敢行したようだ。
だが映像がブレたまま20分放送され、結局再起動して最初から放送することになった。
その後は正常に放映されたようだが、中断時と放映終了時には責任者が丁寧な対応をしたようだ。
責任者がいればできる、いなければできない、ということをミッドランドは露呈したわけだ。

私にとってはケチのついた「ドルビーシネマ」デビューだが、映画の評判は上々である。
チケットは数百円ほどお高くなるが、近々もう一度「ドルビーシネマ」の作品に挑戦してみようと思っている。