先々週、徳島駅前の「阿波おどり会館」に行った。
一年中阿波おどりを披露してくれるだけでなく、踊り方までレクチャ
ーするなど、阿波おどりの振興に一役買っている会館だ。
阿波おどりは実にいい。
日本三大祭りは
・祇園祭(京都市八坂神社)
・天神祭(大阪市大阪天満宮)
・神田祭(東京都神田明神)
だそうだ。
実はこのいずれもじっくり見物したことがなく、サラッと一部分を見
ただけである。よって私の日本三大祭りはかなり偏っているかもしれ
ないが、
・ねぶた(青森)
・阿波おどり(徳島)
・エーサー(沖縄)
となる。
9年前、阿波おどりを桟敷席から初めて見たときの興奮と感動が今も
身体に残っており、ときどきYouTubeで思い出している。
「そうだ、また阿波おどりを見にいこう」と思い、さっそく「じゃら
ん」で宿を取ろうとしたら、なんとソールドアウト。来年のお盆はす
でに徳島市内に宿がない。
以前だったらここで潔く諦めるところだ。
だが、最近はカンタンに諦めなくてもよくなった。なぜなら民泊があ
るからだ。Airbnb(エアー・ビー・アンド・ビー)で検索したら、案
の定、良さそうな宿がいくつか見つかった。宿がなくてあきらめてい
た旅がこれからはあきらめずに済む。
翌日は高松から松山へ移動した。「特急いしづち」に乗って2時間半
かかるが、瀬戸内海の海岸ぎりぎりを走るところがあるなど、楽しい
列車旅が味わえる。
この列車にとんでもないビジネスマンが乗っていた。年のころは40歳
前後だろうか、ジャンバーを着込んだ男性が頻繁に席を立つ。
トイレが近い人だなあと思っていたら、電話しているようだ。こちら
からかけたり、相手からかかってきたりして、とにかく席に5分以上座
っていることがない。
彼が席についたとき、それとなく様子をみてみた。すると3台の携帯
を手にしているではないか。2台でメールし、1台で話している。次に
席を立ったときには、何と2台で通話していた。
私がトイレに立ったとき、彼の声が聞こえてきた。建設現場への作業
指示のようで、中小企業の経営者か、現場監督者か設計家かのいずれ
かだろう。
そんな彼の様子を見ながら、私はある経営者がうまいことを言って
いたことを思い出した。
「超多忙な社長の部下は大概、遊んでいる」
この人もそうでなければいいのだが。
窓の外には晴れた瀬戸内ののどかな景色。窓の内側には腰かけるヒ
マもない超多忙なビジネスマン。双方を対比しながら、自分もああな
ってはいけないと戒めた。