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ああ、アムウェイ

今日は最近あったショッキングな出来事をご報告したい。
先週のことである。都内のある会社の幹部会議で私は得意げにこんな
話をしていた。
「昔、アメリカのアムウェイでこんな販売手法で業績を伸ばしたこと
があります。それはアムウェイの主力製品をトレイや袋につめて…」

この話題、「へぇ~、すごいですね」といったリアクションが得ら
れるのだが、どうもその日はノリが悪い。
部屋には8人ほどの幹部がおり、社長以外の幹部は平均で35歳くらい。

「あなた、どう思いますか?」と近くの幹部に感想を求めた。する
と、耳を疑うような言葉が返ってきた。「武沢先生、アムウェイって
何ですか?」

(おいおいアムウェイを知らないの?そんな情報オンチで大丈夫?)
と内心で思いつつ、平静をよそおって隣の幹部に「アムウェイを教え
てあげてよ」と言った。すると、お隣さんも「知りません」というで
はないか。

焦った私は8人に挙手を求めた。
すると「アムウェイを知らない」人がなんと6人もいた。知っていたの
は、60歳の社長と、親戚がアムウェイビジネスをしている幹部だけ。

ネットワークビジネスの元祖的な存在のアムウェイ。
創業者はリッチ・デヴォスとジェイ・ヴァン・アンデル 両氏。二人は
第2次世界大戦に従軍したのち、ビタミン剤のネットワークビジネス
「ニュートリライト」のディストリビューターになった。
その後、1959年に二人でアムウェイを創業している。現在では450以上
の製品があり、年間売上は86億ドル(約9,600億円)に達する世界的な
大企業だ。

日本上陸は1979年。私も80年代に会員登録し、同社の製品を使い始
めた。今も知人を通して浄水器や鍋、歯磨き粉などを購入している。
80年代から90年代にかけてのネットワークビジネス全盛期を牽引した
会社である。

そんなアムウェイを知らない人が増えている。隔世の感があるのだ
が、同時に別の一面もある。
東京のある会社では2年前に社員の集団離職があった。彼らの離職理由
が「アムウェイの仕事には夢があり、そちらを本業にしたい」という
ものだった。社員数20名の会社で一気に5名がアムウェイを理由に辞め
たので、社長は真っ青になっておられた。

アムウェイの創業者の一人、ジェイ・ヴァン・アンデル氏は2004年
に亡くなっているが、今年9月、もう一人の創業者リッチ・デヴォス氏
もミシガン州の自宅で亡くなった。92歳だった。氏の直近の資産額は
55億ドル(6080億円)といわれている。
→ https://forbesjapan.com/articles/detail/22884

カリスマが去り、平成も終わる。ネットワークビジネスも時代の転
換点にさしかかっているのは間違いないようだ。
私も今後、アムウェイの話をするときには、ひと言添えねばならない
だろう。

★アムウェイHP https://www.amwaylive.com/