その他

うどんこわい

「まんじゅうこわい」という落語ネタがある。
まんじゅう好きのみっつぁんが「恐いものはまんじゅう。まんじゅう
の話をしているだけで気分が悪くなる」と本当に気持ち悪そうに自分
の部屋に帰っていってしまう。

そこで、いたずら好きの友人が「あいつは気にくわないから、まん
じゅう攻めにしてやろう」と金を出し合い、みっつぁんの部屋にまん
じゅうをどんどん投げ込んだ。

「やめてくれ」
みっつぁんはひどく慌てたふりをする。「こんな恐いものは食べてし
まって、早くなくしてしまおう」「うますぎて恐い」
などと言いながら全部平らげてしまう。
だまされたことに気づいた友人たちはみっつぁんを批難するが、みっ
つぁんは平然とこう言う。
「このへんで、濃いお茶が1杯こわい」

スタッフがこのネタを知っていたとは思えないが、「うどんが好き
になれない」という。
本場讃岐のうどんを食べてからそう言うのならやむをえないが、それ
を食わずしてうどん嫌いになるのは百年早い、と今年の社員旅行はう
どん旅行にした。

12/13(木)午前7時半の新幹線でまず岡山へ向かう。
朝食は駅のホームできしめんにしようと思ったが、この先、麺類が続
きそうなので、小さめのサンドイッチにした。11時過ぎに高松に到着。
ホテルに荷物を預け、電車移動して「一福」(いっぷく)で昼の讃岐
うどん。うどんが美味い・不味いを論ずる前に讃岐うどん店のスタイ
ルや地元民のうどん文化を見るには最高の店であった。うどんの美味
さと同時にうどんカルチャーに軽いショックを受けたようだ。

本当はこの日の夜も讃岐うどんのつもりだったが、徳島へ移動した
ことから夜は元祖・徳島ラーメンの「いのたに」へ。19時ごろ、再び
高松にもどって地元の魚をいただく予定だったが「もう限界」と皆が
言うのでスーパーで軽食を買ってホテルにもどる。

12/14(金)は午前7時にホテルをチェックアウトし、栗林公園へ向
かった。公園は午前6時半から開園しているが、まずは高松城跡を見学。
お堀で鯛が泳いでいるのを見学し、朝食に向かう。
高松駅前の「めりけんや」には既に行列ができていた。食後、歩いて
栗林公園へ向かうも意外に遠く、30分近くかかった。

タクシーにすべきだったと後悔したがあとのまつり。さらに公園を1時
間半かけて歩き回り、10時半に早めの昼食。
栗林公園脇にある「上原屋本店」の讃岐うどんに舌鼓を打った。

午後から松山へ移動。道後温泉に浸かったあとはさすがに麺類は遠
慮したが、翌日の昼は松山市内のうどん屋に入った。
名古屋への帰りみち、スタッフに「どうだ、うどんは好きになれたか
?」と聞くと、彼らは「今度はステーキがこわい」と言っていた。

しまった、
うどんだけに、一杯喰わされたかもしれない。