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フィリピンのフィンテック

セントレアでこれを書いている。
バンコクには14日(水)18時に到着予定。
なので今ごろは上空高く飛んでいるか、トランジットで香港にいるころかもしれない。
昨日、タイバーツと日本円の両替はバンコクの空港がオトクと書いたが、さっそく訂正する必要がありそうだ。
バンコク在住のSさんからこんなメールを頂戴した。

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空港の中では地下のエアポートリンク駅横にある両替所のレートは比較的良く=市中のレートと変わらない、空港内の他の両替所のレートはひどく悪いと認識しています。
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「空港はひどく悪い」というのが今の常識のようだ。
いったい私は何の情報を鵜呑みにしていたのだろう。
ところで香港での両替についてはHさんからこんなディープなお便りを頂戴した。
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香港の両替は重慶大厦(チョンチンマンション)にいるインド人両替屋がいいと思います。
シンガポールでも両替屋というとインド人でした。
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あとは両替レートの差を気にするかどうかはコスパの問題。
こちらとしては現地滞在費程度の金額なので大金を両替する訳ではない。
仮に10万円両替した場合、レートの善し悪しで何バーツ(香港ドル)の差ができるのか時間があれば調べておきたい。

ところで、フィリピンでは銀行口座を持つ人は国民(15歳以上)の35%程度だそうだ。
ちなみに日本では96%。
フィリピンってそんなに低いの?と驚かれるだろうが、これでもグングン向上してきているのだ。
貯金する文化が根づいていないことや、口座の残高が一定額を下回ると口座維持費が発生するなど、特有の事情がある。
★世界・男性の金融機関口座所有率ランキング
→ http://top10.sakura.ne.jp/IBRD-WP11623_4-2.html
(このサイトのデータは少々古くて、フィリピンが19%になっている)

そんなフィリピンで広がっている独自のサービスが銀行ATMに変わる「誰でもATM」だ。
日本ではコンビニや地下鉄でもATMが普及するなど、むしろATM削減の動きが本格化している。
しかしフィリピンはもともとATM網が発達していない。
そんな中で、口座を持たない多くの人が出稼ぎのお金を田舎の家族に送金しようとしたら、やっかいなことになる。

そこで最近広がっているのは、ネットを利用し、エージェント(代理人)を介してお金のやり取りをする「誰でもATM」(『センダー』が正式名称)というサービスだ。

仕組みは簡単。
お金を送りたい利用者は、最寄のエージェントに現金を預ける。
この時、専用のパスワードが発行されるので、遠隔地にいる受取人にそれをメールやSNSで伝える。
受取人は自分の街のエージェントのところに行き、パスワードを伝える。
するとエージェントが持っている現金から所定の金額を受け取れる、というもの。
エージェントは金額の約1%を手数料として徴収する。

国内利用者は1000万人に達したというからフィリピンの人口約1.05億人の10%近くにのぼる。
ドラッグストアやスーパーなどの商店がエージェントになっているそうだが、運営会社(2008年創業のアヤナ)では、「現金さえ持っていれば、個人でもエージェントになれる」と話している。

私はこの記事を読んで「これもフィンテックだ」と思ったし、ちょっとした人間ブロックチェーンのようにも感じた。

ますます銀行の利益が新興企業に奪われていく。