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A クリニックの H 先生

約一年ぶりに名古屋栄の「A」クリニックに行ってきた。
漢方薬をつかったダイエット指導をしてくれる評判のクリニックで、予約なしで行こうものなら最低1時間は待たされる。
連休の谷間の5月2日(水)は強い雨だったが、痩せる決心をして訪れた。

看護師による予備診察が済んですぐに、担当の H 先生の部屋に通された。
45歳くらいの男性医師で、笑顔を絶やさない優しそうな先生である。
しかし席につくや否や、きつーいお灸を据えられることになった。

H:体重が一年前より3キロ増えてますね。ダイエットは完全にお休み
されてたんですか?
武:恥ずかしながら、そういうことです。また今日から気持ちも新た
に始めたいと思います。
H:武沢さんが以前に適正体重だったときはいつ頃ですか?
武:う~ん、たしか、15年前ぐらいでしょうか。ホットヨガに通いだ
して、半年で20キロほど落としたことがあります。
H:どうして戻ってしまったのですか?
武:胃腸が丈夫で、食べる量・飲む量が若いころとあまり変わりませ
んから。代謝が落ちた分だけ、身になるのかと。
H:(目元は優しいものの私の目線を外させない目ヂカラで)
わかっていらっしゃるじゃないですか。見ばえのかっこ良さを気
になさる年齢でもないでしょうし、そろそろご自分の健康寿命の
ために本気になられてもいいんじゃないですか。

少々キツい表現ながら、たしかにその通りである。
『俺はまだ本気出してないだけ』という漫画があるが、昨年のダイエット失敗は本気を出していなかったから。
ダイエット成功は過去に3回ほどあるが、その時は目の色変えてダイエットに取り組んだ。
そのときはすべて成功した。

私に本気を迫るため H 医師のお灸はつづく。

H:で、今回はどんな代償を払うおつもりですか?
武:代償?
H:なにをやめますか、ということです。
武:食事療法やヨガなども取り入れたいと思いますし、必要によって
は飲酒制限もするつもりです。
H:必要によっては・・・、ですか。お酒なんかひと月ぐらい断ってみて
はどうでしょう。飲み食いを楽しみにする生き方を、そろそろや
めにしませんか。人生の喜びをほかに見つけてください。
武:(心外な言い方だとは思いつつも半分当たっているのでうなずく
しかない)
H:空腹の状態でいただく質素なものは、飽食でいただく豪華なご馳走
に勝る喜びがあります。武沢さんにそのことを思い出していただ
きたい。一日の食事量はこれぐらいが適当かと思います。
(画像を見せられたが、「おにぎり+サラダ+総菜」程度の昼食
と夕食になる)
武:先生、わたしは仕事柄、お付き合いの宴席が多くなります。そん
なとき、自然に酒量も食事量も増えがちなのですが・・・。

私の言い訳めいた発言で H 先生の減量指導者としての闘争心に火をつけてしまったのか。
目の奥がすこし苛ついていた。

<あすにつづく>