★テーマ別★

社員の頭脳と感情を引っぱりだそう

Rewrite:2014年3月22日(土)

アメリカの会社を視察する旅行がある。セミナー団体などが主催するもので、企業訪問と観光をセットにしたものだ。私もこれまでに何回か参加したが、あるとき面白いことに気づいた。

それは、アメリカ企業の共通点として、文化と歴史を演出するのが上手いということだ。訪問したどの会社でもそれを感じる。写真や表彰プレート、旗や記念像などを効果的に使って「私たちはこんなに数々の栄光と、誇れる先輩たちのもとで今日があるのですよ」という暗黙のメッセージを伝えている。
素晴らしい業績をあげた部署や個人、アイデアが認められた個人などの栄誉をたたえ、社内の通路や食堂、会議室などはこうした勝利のメッセージで満ちあふれている。ほめたたえることを惜しまないのだ。独立して200年の歴史しかない国が、歴史と伝統を演出するための知恵かもしれない。

日本でも外資系の会社を訪問すると、こうした例に接することがある。
新しく入社した社員は、知らない先輩の顔写真や表彰プレートを見、説明を聞くことで神話が語りつがれていく。しかし一般的な会社では、社長室に創業以来の社長の写真と社是社訓があるだけだ。5年前に退職していった営業や開発の猛者の話は語りつがれない。

GE(ゼネラル・エレクトリック)のジャックウエルチ氏が来日した際、おもしろいことを言っている。「私たちは永年の間、社員の手と足を雇用してきたが、頭が無料でついてくることに気づかなかった。頭にも存分に稼働してもらおうと決心したのだ」

私は思う。頭だけなく感情もセットでついてくると。社員の頭脳や感情、そして情熱という資産をフル稼働させるための知恵と工夫を働かそう。