コミュニケーションを良くしたい

明るくてポジティブな人が好まれるが・・・

「武沢さん、評判の良い適性検査は何でしょうか?」と A 社長。
A 社では20人ほどのスタッフが働き、WEB 開発とアプリ開発で業績を伸ばしてきたそうだ。
「社内が暗いので明るい人材を採用したい。それには適性検査での見極めが大事になる。今までは技術力だけを重視してきたが、今後は適性検査をつかって人柄もチェックしていきたい」と A 社長。

デジャブだ。何年か前にも同様の相談を受けたことがある。
建築家ばかり30人ほどの会社で、デザイン力や建築技術は最高なのだが、社内が暗いのが社長の悩みだった。
進学塾のチェーンでもそうだった。教育への情熱、効率的な進学指導という点で優れた教育者がたくさんいたが、社長は社風が気に入らないと嘆いていた。

経営者は明るい社風を好む。暗いというだけで社内に問題があるように感じてしまうものらしい。反対に、会社の中が明るく元気だと、とてもうまくいっているように思えてしまう。
だから企業は明るく朗らかな社員を欲しがるのだが、そんな単純な発想で良いのだろうか?

こんな心理学の実験結果があるのをご存知だろうか。

大学生の被験者を A ・ B 二つのグループに分け、聴衆の前でスピーチさせた。スピーチは自分が興味をもっていることについてなら、自由に話すことができた。
被験者は自分が何のグループに入れられたのかを知らないばかりか、実験の内容すら知らされていない。

まず A グループに振り分けられた人たちに対して聴衆は、うなずきや拍手など、ポジティブな反応を示した。
もう一方の B グループに対しては、聴衆は腕組みをして首を振ったり、しかめ面を作ったり、居眠りするなどしてネガティブな態度を示した。

A グループの被験者は全員、ハイな気分になったのに対し、B グループの被験者は気分が沈み、憂鬱な気持ちになった。

問題はそのあとである。

スピーチ終了後、創造性に関するテストを行った。
このテストは切り絵をつかって行う定評のあるもので、試験結果には信頼がおけるものといっていい。

さて、独創性のスコアが高かったのは A ・ B、どちらのチームか?

続きは明日にするが、あなたの考えはどちらだろう。