中国では大晦日に支払いを済ますことを「大払い」(
今日ご紹介する「大払い」は別の意味で使う。
夜の酒場で大金を支払うことを一部の人たちは「大払い」
A さん(40)は大手広告代理店から独立して販売促進コンサルタントに転身した。会社設立直後、
特にお世話になった二人の経営者を訪れると、「
A さんの悪夢はそこからだった。
「今日は A 君の門出だ。以前にあなたが大喜びしたあの店に行こう」
そこは赤坂でナンバーワンの高級クラブだった。
「今日はめでたいことがあってね、お祝いしたいんだ」
二人の経営者がママにそう告げると VIP ルームに通され、ヘネシーとドンペリが出てきた。
A さんも酒がすすみ、かなり浮かれた気分になったとき、経営者に小声で言われた。
「おい A 君、あなたも経営者の仲間入りだ。どうだ、この店の支払いを一人で済ませる覚悟はあるか」
いくら酔っているとはいえA さんは黙った。ここはレストランではない。7万円ぐらいで済むはずがない。ゼロが一個、いや、
酔いが一気にさめ、気分が悪くなってきた。そんな A さんを見て経営者はこう言った。
「無理はしなくていい。君が払えないなら、
度胸を試されている気がした。売り言葉に買い言葉だった。
「もちろん今日は僕が払いますよ。当然でしょ、
その言葉を合図に三人の酒のペースは一気に加速した。
会社設立準備で貯金の多くを崩しており、
85万円を支払って店を出、
「ふたりのバカ!!」「俺のバカぁ!!」
皮膚が敗れ、血がボタボタと出ていたが不思議なことに、
A さんがその後、どうなったかはさておき、次に B さんをみてみよう。
B さんは大学新卒でタクシー乗務員になった。
「あなたおもしろい。今度、メシをご馳走したい」
連絡先を交換し、
社長はやり手で、成功者ばかりとつきあっていた。
ある日、数人の経営者と銀座で寿司を食べた。
B さんは20万円の支払いをカードで済ませた。
「大丈夫なのか?」と社長が聞くので「はい、大丈夫です」
そのあとのバーでも20万近くを B さんが支払った。
店を出るとき「お前にできることは大払いだけだ。
こういうのを「大払い」というんだと B さんは知った。勉強代と思って B さんはニコニコしながら支払った。累計支払い額が200万円を超えたあたりで「このカードは使えませんが・・・」
限度額に到達したらしい。
「あ、いけない。こっちで」ともう一枚のカードで支払った。B さんの支払いは300万円になっていた。
払う方も払わせる方もどうにかしているが、その後、 A さんとB さんはどうなったか。
<あすにつづく>