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セミナーコンパのすすめ

セミナーや講演などの機会が増えると、おのずと懇親会も増える。
「武沢さんもそろそろセーブしないと」などと先輩から言われるが、なかなか懇親会を減らすことができない。数をセーブする前に、上手な懇親会の過ごし方を身につけようと思っている。

ひとつは、懇親会で暴飲暴食しない方法。食前に漢方薬を飲んで食欲を制御したり、水やお茶を合間に飲んで酒量を制限する工夫をしている。むしろ問題なのは、飲食ではなく懇親会の中味(話題の中味)と時間である。

ある日、経営セミナーを終えて懇親会に向かった。人気の焼きトン専門店で、料理も雰囲気もすばらしい。
参加者は10人ほどいたが、とても話術に長けた人が複数いた。特に一人は、最近まで中国の IT 企業で働いていたそうで、彼が住んでいた街や中国企業の内情などが聞けてとても楽しかった。
ところが酒が進むほどに話題が脱線。男性陣ばかりだったせいもあるが品のない話題になっていった。それはそれで興味深くはあるものの、私は、「ここからは稲盛流コンパでやろうよ」と申し上げた。

セミナー後の懇親会も、セミナーの一部である。ましてや全員が経営者なので、単なる楽しい飲み会を希望しているわけではない。
私はまず、「稲盛流コンパ」のルールを確認した。

1.100%全員参加で行う(来られない人がいたら別の日にする)
2.毎回のコンパにテーマと時間割を決めておく
3.参加者からは多少なりとも会費を取る
4.座席表を主催者が作り、各自は決められた席に座る
(いつもの仲間同士でかたまらない)
5.毎回のテーマに沿って歓談する
(たとえば「仕事と人生について」など。出席者数によってはグループ分けする)
6.リーダーは最後に大きな夢を語って定刻に終わる

この「稲盛流コンパ」をベースに「セミナーコンパ」として応用すると次のようになるのではないかと申し上げた。

1.コンパにテーマと時間割を決める(閉会時間を決めておくことは互いの時間を尊重するためにも大切)
2.前もって出席者が分かっていたら座席表を作るとよい。
3.座席表がなく自由に座る場合は、講師を中心に席を決める。途中でいちど席替えをするとよい。
4.主催者が進行の音頭をとる。
「今日の感想や質問などを順にお聞かせください」など。そうすることで、自由に雑談する懇親会ではないというメッセージが伝わる。
5.必要があれば、「しばし歓談のお時間とします」と自由歓談を入れる。その時間に話したい人と話したいことを存分に話す。
6.後半、ふたたび進行役と講師を中心にした懇親時間をつくり、最後は主催者(または講師)の締めで懇親会を終わる。
名残惜しいくらいの時間で閉会するのがよい。

「いかがですか?」と私。
すると全員が「我が意を得たり」といった表情だった。その後、品のない話題は途絶え、その日のセミナーテーマに話題がもどった。
私たちは社内コンパの機会よりも、外で懇親会をする機会の方が多いはず。懇親会こそこうした規律ある「セミナーコンパ」をやろうではないか。特にセミナー主催者は懇親会のマネジメントにも責任をもつ必要があるだろう。