ホテルやお店で領収書をもらおうとする。
「お名前は?」「有限会社がんばれ社長です」
3人にひとりが笑う。沖縄のホテルでは声に出して笑われた。業務内容を聞かれることもある。
ところが、最近あまり笑われなくなった。世間でもユニークな会社名が増えてきているからかもしれない。
名は体を表すというから、社名にも苦心のあとがみられるのが多い。
特異な存在でありたいということから、「株式会社ユニーク」という社名をつけた会社が全国にいくつもある。
リフォーム、商社、注文住宅、製菓など、あらゆる業種でユニークであろうという会社がこの名前をつけている。
同様の理由で「株式会社スマート」も多い。
株式会社インターネットという会社もある。音楽ソフトウエアを開発している会社である。よくこの社名が登録できたものだ。
1980年代前半、世の中がパソコン通信の時代でインターネットという単語すら存在しない時代に設立したそうだ。偶然、あとからインターネット時代が到来したわけだから、すごい逆張りである。
この社名、ソフトバンクあたりに高額で売れなかったのだろうか?
変わった社名ということであれば、秋田の友人・長谷川敦社長の会社は株式会社トラパンツという。
子どものころからタイガースファンで、本当は「虎パンツ工業高校」という社名にしたかったそうだが、諸般の理由で工業高校の部分だけをカットしたそうだ。いまでは東北を代表する Web 開発会社になった。
世界のキヤノンの場合はどうか。
1933年に精機光学研究所が設立され、カメラの最初の試作機をつくって「KWANON(カンノン)」と名づけた。観音様の御慈悲にあやかり世界で最高のカメラを創る夢を実現したい、との願いを込めたもので、これが後に社名に発展していく。
強烈な社名という意味では「変態企業カメレオン」というのがすごい。正式には「株式会社変態カメレオン」といい、Web メディアやソフトウエア を扱っている会社だ。
営業時間は原則14:00~18:00だが、「やる気が無くなり次第終了」とあるユニークな会社。この社名だと女性社員が応募しづらいのではないかと勝手に心配している。
社員の応募といえば、
ダスキンの創業者:鈴木清一氏は社名を「株式会社ぞうきん」にするつもりだった。ところが社員が、「嫁(婿)に行けない」「恥ずかしくて相手に名刺を出せない」と猛反発され、ダスト(ほこり)とぞうきんを組み合わせてダスキンという社名にした。
もしあのとき「株式会社ぞうきん」にしていたら、今日の発展があったかどうか・・・。