社長の人事ミスによって会社が傾くことがある。
東京のあるアパレル会社には数人のデザイナーがいる。
ところが最近販売成績が振るわず、
そこで社長の K さん(66)は、自称「アパレルマーケティングコンサルタント」の U 氏(50)と顧問契約を結ぶことにした。
顧問契約とはいっても実質上の「専務業」を任せたのだ。
まず、U 氏に大きな権限と経費決裁権を与えたことが最初の誤りだった。製造工場がある外国への飛行機移動はファーストクラス、
話を端折るが、それから2年近く経過した。
U 氏が知人の服飾デザイナーにデザインさせ、ベトナムで作らせた服はまったく売れなかった。創業以来初の赤字決算をだした。
実際には、もうすこし込み入った人間関係ドラマがあるのだが、
さて、このエピソードにおいて、K 社長の誤りはどこにあるとあなたはお考えだろうか?
「K 社長は悪くない。悪いのはコンサルタントの U 氏だ」という人もいるだろう。「それよりも K 社長の長男が頼りない」という人もいるだろう。
だが、会社で起こることの最終責任者は社長である。
この場合、社長は人事を誤ったと考えるべきだと私は思う。
コンサルタントに対して一時的に肩書きを与えて社内で働いてもら
新参者に大きな仕事を任せるのはリスクが大きすぎる。
<あすにつづく>