★テーマ別★

Yahoo!(米国)が消滅する!?

アメリカでは 「Yahoo!」(ヤフー)というブランドが消滅するかもしれない。かねてより噂があったが、米国 Yahoo!ではインターネットの検索や広告、スマホなどの中核事業を通信大手ベライゾン・コミュニケーションズに48億ドル(約5500億円)で売却すると報じた。売却後、「Yahoo!」は社名を「Altaba(アルタバ)」に変更し、投資会社として存続する予定だという。買収したベライゾン側では、「Yahoo!」ブランドを継続利用するかどうかはいまのところ「分からない」としている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN10H2R_Q7A110C1000000/

これによって、1994年にジェリー・ヤンとデビッド・ファイロによって始められた Yahoo!の名称がアメリカから消えてしまう可能性が出てきた。なお、日本のYahoo!ジャパンは別法人なので消えることはない。

革新性のない広告サービスや目立った特長がないスマホ関連ビジネス、SNS 対応などへの遅れなど、守勢一方だった Yahoo!がついに下した決断が事業売却だった。
こういう話をすると「アメリカの Yahoo!がつぶれた」とか「Yahoo!が買収された」などと思い込む人がいるが、そうではない。あくまで事業売却だ。

米 Yahoo!では2005年に、10億ドル(約1,046億円)を投じて中国のアリババの株式を40%取得している。その当時は「割高だ」「無謀だ」などと言われたが、11年たった今、シリコンバレーの歴史において最も成功した投資案件の一つと言われるようになった。
なにしろ Yahoo!が取得したアリババ株の現在の評価額は800億ドル、(約8兆3,200億円)を超える。すでに半分以上は売却済みとはいえ、膨大な含み資産がある。今回の事業売却ではアリババの株は含まれていない。

SoftBankの孫社長は「IT 業界のバフェットになる」と宣言しているが、Yahoo!あらため「Altaba(アルタバ)」も投資会社としてその路線を歩み始めることになるのだろうか。
まだ不確定要素が大きいニュースだが、今後の推移を見守りたい。

諸行無常というが、アメリカのネット上に Yahoo!のロゴが消えてなくなろうとは誰が想像しただろう。