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続・がんばれ!ぬいぐるみ

前号(3/31)のつづき。

今年2月、がんばれ社長の「大阪経営計画合宿」に参加された株式会社こころの堀口こみち社長は、経営理念を「がんばれ!ぬいぐるみ」にした。「フモフモランド」という堀口さんのぬいぐるみ専門サイトには全国のファンが集まる。堀口さんがセレクトしたぬいぐるみが通販で売れていくわけだが、最近は「ぬいぐるみの病院」への入院患者が増えているという。だから理念を「がんばれ!ぬいぐる」にされたわけだ。

ぬいぐるみには人格があり、飼い主が与えた個性がそのままぬいぐるみに反映されると堀口さん。ポイ捨てするのでなく、一生の友や子としてぬいぐるみに接する人が少なくないという。であれば、ぬいぐるみの「修理」や「補修」という言葉を使わずに、「入院」「退院」という人間の場合と同じ言葉を使おうと思ったそうだ。

堀口さんと私が合宿所の食堂でそんな話をしている真っ最中に、目の前のテーブルに親子づれがやってきた。そのお子さん(10才ぐらい)がぬいぐるみを持ち歩いていた。バイキングで料理を取りに行くときもぬいぐるみと一緒。「旅先にもぬいぐるみを連れて行くことは多いですよ」と堀口さん。

ぬいぐるみ病院ではまず受付の「すももさん」が患者を優しく受け入れてくれる。そのあと院長である「盛富小路けろーにょ」(もふのこうじ けろーにょ)先生が往診し、入院生活を婦長の「こけこっこさん」を初めとする8名のナース体制でケアしてくれる。専属ナースのご指名もあるそうだ。心のケアも必要とされるぬいぐるみもいる。そんな方のために「ゆるみ隊」と「いやし隊」それぞれ3名のスタッフが万全の体制で入院ライフを豊かなものにしてくれる。

そうした世界観をホームページで表現したところ、全国のファンが共感してくれた。ネットで調べて入院申込みが入るようになった。中には、直接病院まで訪ねて来られる家族もいる。せめて退院の御礼をしたいと、はるばる遠方からマイカーに乗ってやって来られる方もいる。「退院のご祝儀ですから」と無理やり祝儀袋を置いて帰る人もいるそうだ。世界感を共有できる人たちの輪が広がっている「ぬいぐるみ病院」は、株式会社こころの登録商標にもなっている。

ぬいぐるみの病院
http://nuigurumi-hospital.jp/

入院生活はどんな感じだろうか。

ずっと家族と一緒に暮らしてきた長年の汚れや垢をきれいに洗いおとすためにお風呂に入る。ゆったりとした気分で洗体、シャンプー、リンスをしてもらう。風呂上がりの身体をさっぱり乾かしたあと、今度は真っ新な綿入れをほどこしてもらう。すべて身体に優しい素材のものばかりが使用される。そして最後は丁寧にぬいあげられ、退院準備が整う。希望があれば、植毛・増毛も行うそうだ。こうして完全に生き返ったぬいぐるみと対面し、家族は感激する。

患者さんの症状にもよるが、平均的な入院期間は約一週間。入院費用も人間に比べればかなりお値打ちだとか。高度な技術がともなうことと、病室に限界があることから月間のキャパは30~40人。

手離れが良い通販サイトに比べれば、病院事業は手間ひまがかかって大変だが、お客と一緒に世界観を共有できる会社は強い。コツコツがんばって通販サイトと相乗効果を発揮していきましょうと合宿会場で話し合った。

ところがひと月経った3月25日(金)、想像もしていなかったことが起きた。その朝、堀口さんから一通のメールが届き、こう書かれていた。

・・・
朝起きたら病院の問い合わせが殺到していてびっくりしています。サーバーがダウンしているとお客様から指摘がありました。ツイッターで話題になってるみたいですが、よく調べてみます。
・・・

早くも何かが起きたようだ。

<あすにつづく>

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