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日本の起業の実態を知ろう

中小企業庁の発表によれば、日本は事業者の数が年々減っている。「ビジネスとはリスクを利益に変える行為である」と言われるが、会社経営には億万長者になる可能性と、倒産や廃業に追いこまれて一文無しになるリスクとが混在している。

いままでも毎年たくさんの倒産・廃業があったわけだが、その数を上回る新規開業があり、経済の新陳代謝が健全に行われてきた。だが、少子高齢化の波は、事業者の減少という結果につながり、経済の新陳代謝まで不活発になりかねない状況が起きている。

中小企業庁 HP → http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=4712

そんな中、期待もこめて「がんばれ!起業家」である。では、さっそく昨日のクイズの答え合わせに移ろう。

1.日本では新規に会社を起こす人の平均年齢は何才でしょうか?

A.42.1才
開業者の世代別比率は、
29才以下・・7.6%(この世代が年々下がっている)
30代・・38.6%
40代・・30.5%
50代・・17.4%
60才以上・・5.9%

2.ある世代の開業率が年々減り続けています。それはどんな世代でしょう。また、そうなる理由は何でしょう?

A.29才以下の若年層の開業率が年々低下し、まだ下げ止まっていない。学生が大企業や官庁を志向する傾向は減ってきているようだが、自分で事業を起こそうという気運にいたっていない現状がここにある。20代の起業家が相対的に減っている理由はほかでもない。少子化によるもので、単純にこの世代の人数が少ないからである。

3.新規開業する人の男女比はおおよそ、何対何でしょうか?

A.男性84%、女性16%
20年~30年のトレンドでみれば女性比率が高まってきているが、ここ10年にかぎってみれば男女比は横ばいのままである。

4.開業時に選ばれることが多い4大業種をお答えください。

A. 第一位:サービス業(22.2%)
内訳:個人向15.0%、法人向け7.2%
第二位:医療・福祉(21.9%)
第三位:飲食店・宿泊業(14.9%)
第四位:小売業(13.2%)

開業動機の順位は、
第一位:自由に仕事がしたかった(49.6%)
第二位:収入を増やしたかった(46.9%)
第三位:経験・知識を活かしたかった(40.8%)
第四位:社会の役に立つ仕事がしたかった(31.8%)

そして、第四位の動機が年々高まっているという。

5.開業時は、「法人」と「個人(自営)」のどちらが多いでしょうか?

A.個人企業・・61%、株式会社・・34%、残りが NPOやその他。

以前は自営業でスタートした後に法人成りするパターンが多かったが、最低資本金が撤廃された近年では「株式会社」でスタートするケースが増えている。また、少数派ながら、NPO 法人や社団法人などでスタートするケースも増えているようだ。

6.新規開業に要した費用は平均していくらほどでしょうか?

A.平均値は1,287万円
意外に大きい平均値だが、これはお店の出店費用や工事費なども含まれているから。実際に一番多いのは「500万円未満」の32.5%である。

7.開業費用のうち、自己資金の割合は何パーセントでしょうか?

A. 23.9%
「金融機関からの調達」が一位で63.4%、次いで「自己資金」の23.9%、次が「配偶者・親・兄弟・親戚」の6.8%となっている。

8.開業後、初年度に黒字化する会社の割合はどれぐらいでしょう?

A.64.9%が「黒字基調」と回答している。
背水の陣で経営することから、初年度はディフェンシブな経営をする様子がうかがえる。二年目以降の調査になると、「黒字基調」「赤字基調」以外に、「収支トントン」という選択肢が加わるため、「黒字基調」の会社が26.1%にまで激減するのが残念だ。

9.開業後、苦労することは何でしょうか?上位三項目あげて下さい

A. 第一位:資金繰り・資金調達(47.7%)
第二位:顧客・販路の開拓(45.6%)
第三位:財務・法務・税務に関する知識不足(33.8%)
人材の確保や、社員教育などは、その次にきている。

お金とお客に苦労するのは初年度以降、ずっと同じである。

10.目標とする月商に一年以内に到達した企業は何パーセントでしょうか?

A.53.3%の会社が予想月商に到達している。これは急速に改善傾向にある値。インターネットをつかって経営情報の周知徹底が計られているのも原因になっているのではないか。

答え合わせは以上だが、あなたはこの調査結果から何を感じただろうか。