経営計画合宿初日。21時からビールバズをはじめた。隣のコンビニで各自が好きなドリンクとつまみを買ってきて2時間、経営談義をする。このフリートークが本音で生々しい話が聞けてとても意義深い。これも合宿の楽しみのひとつになっている。
ある人が今年から厄年に入ったというお話しをされた。そのとき、私は自分が厄明けしていたことを思い出した。無意識のうちにバンザイのポーズをとっていたようで、「武沢先生、どうされました?」と聞かれた。
「あ、いや、実はね、今週の節分で後厄が明けていたことを思い出したんですよ。これで我が人生に厄年なしと思うと嬉しくて」「ほぉ、それは良かったですね」と参加者。
「まあ、厄年とは言っても迷信みたいなもんですから、そんなに気にはしてませんでしたがね」といきがってみせた。すると、毎年この合宿に参加されている F さんが「先生、一昨年、厄になられたその年に入院しませんでした?」という。実はそうなのだ。レストランの外で突然たおれて一週間入院したのは前厄に入った年だった。さらにふりかえれば、20年前の厄年のときには以前の仕事で大きな失敗をし、その年に父をなくしている。
男性の場合は、数え年で62。女性は38で厄が明け、それ以降はもう厄がない。人生100年時代なのに、そんなに早く厄が終わって大丈夫?と心配になるが、62(38)までに悟っておけよという神か仏のメッセージでもあろう。
現実には厄があけてからもいろんな不都合なことが起こるだろうが、あわてず動ぜず、それらのできごとを厄介と思わず粛々と対処できる人間になるべきなのだろう。
いずれにしても今年の節分は、カウントダウンでもしながら厄明けの瞬間を喜ぶべきだったかもしれない。
この土日に開催した「名古屋合宿」には10名の経営者が参加された。内訳は、福岡の病院経営者、長野の製造業経営者、静岡の士業経営者お二人、愛知の製造業経営者お二人、愛知の経営コンサルタントお二人、愛知の建設業経営者、愛知の通販経営者である。うち9名がリピーターである。
今回が初受講なのが I さんという30代の男性。新年早々に受講申し込みをされていた。ところが合宿の5日前にあたる月曜日、友人とバスケットボールに興じている最中にアキレス腱を断裂した。すぐに病院に運び込まれ、火曜日に手術。一週間は入院加療が必要といわれたが、名古屋合宿を予約してあるので、とすぐに退院。一緒に参加する友人の車で名古屋まで来て、松葉杖をつきながら二日間の合宿メニューをきっちりこなされた。猛者である。
「アキレス腱が痛いなか、一生懸命がんばりましたね」と声をかけた。すると、I さんは「アキレス腱を切ったぐらいは時間が解決してくれますが、経営計画をつくる作業に思いきり骨を折りました。こればかりは、自分で考えて決めるしかなく、時間が解決してくれるものではありませんからね」と笑顔で返してくれた。
「骨を折って済ませられるのなら何本でも折りましょうよ。そうすれば経営者として一年間は心が折れずに済みますから」と私。二人で大笑いした。