朝から攻撃的であるために

毎朝ふとんをけ飛ばして起きていた西郷隆盛さん。寝坊癖を克服するために編みだした早起き法だそうで、布団のなかでぐずぐずしていると朝から勢いがつかない。だから、目がさめた瞬間に布団をけ飛ばし、すぐに行動を始めるのだという。ただし高血圧の人にはすすめられない方法だ。

「大きな志があれば二度寝などしておれないはずだ」という真っ当なご意見もあるが、それは大間違いで、どれだけスゴイ人でも布団でぐずぐずするようである。

子供が無邪気に遊ぶような気分で映画を撮っていたという映画監督の黒澤明さん。「監督の現場入りをユックリにしてください」とスタッフが黒澤の家族に頼んでおいたにもかかわらず、早く現場に行きたい本人を引き止めておくのは至難のワザだったと娘さんが本に書いていた。

それほど仕事が好きだった黒澤さんも人の子。うまくいかない時には現場に行く気が失せるらしい。そんなときには、ロケ先の旅館で朝起きると、カーテンから首を出して “雨降ってたらいいな” などと周囲の人にもらしていたそうだ。撮影が中止になるからだ。だけど現場に着けば別人のように夢中に仕事をしたらしい。

西郷さんしかり、黒澤さんしかり。人は退屈したりちょっとした出来事があるとすぐに気がふさぐ。そんな自分を上手にあやしながら気分を乗せていくのも大切なマネージャーの仕事。マネージャー役をするのは、やっぱりあなた自身なのである。

マネージャーのあなたにおすすめするのは退屈しないで済みそうな刺激的な本を読むことだ。たとえばトム・ピーターズの『経営破壊』（TBSブリタニカ）などはいかがだろう。すくなくとも退屈とは無縁のマインドを作れそうだ。こんな言葉がポンポン飛び出してくるのだ。

・メーターの針を目一杯に振り切れ
・「変革」にあらずして「革命」
・「革命」にあらずして「永久革命」
・困惑するような失敗を追い求めろ
・気の抜けた返答はご免だ
・混乱のさなかの「集中」
・不安定状態が常態
・つねに他者とは反対の方向をめざせ
・用心深くあれ━━━そうすればあなたは過去の人間となる
・突飛さに欠けるところはないか？
・新しい文明を作り出すために、まずあなた自身をつくり直せ
・失敗が大好きになれ
・（考えより）行動を優先させろ
・曖昧さを好もう
・尊大で頑固な錯乱者を憎むべし
・人々の好奇心を信頼する
・突飛なものにあこがれよう
・熱っぽい言葉に愛着を覚えろ
・革命を好きになれ

普段使っている言語とは別のものに触れたとき、脳が刺激され意識にそれが伝達される。そんな状態で来年以降の個人目標、ビジネス目標を作ろう。退屈して二度寝なんてしているヒマはない、そんなあなたを作っていこう。

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