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中小企業の海外進出意欲

バンコクの経営者からオファーがあり、現地で10名ほどの経営者を集めるので「1日経営計画講座」をやってほしいとのこと。それが12月11日に開催されるこちらの講座。
http://www.e-comon.co.jp/session/?p=5890

バンコクでは一昨年に次いでこれが二度目の開催となる。そのことをメルマガでご紹介したところ、3名の国内経営者から「私も出席を検討したい」とか「タイミングが合えば参加したいので場所を教えてほしい」などの問合せが入った。飲食業、不動産業、製造業の方である。内、1名の方は今朝、正式に参加表明メールをいただいた。世界がどんどん狭くなっていく。バンコクまでの片道6時間は少し遠く感じるが、先日の名古屋-鶴岡(山形)間や、名古屋ー出雲市(島根)間の出張も片道6時間かかっているわけでそれを思えば大したことはない。おまけに旅費や宿泊費にしても国内と大差ない。

土地も人件費も材料も安い良好な生産拠点があるのに、指をくわえてながめているだけの製造業経営者はいない。同じように、そこに購買力が旺盛で成長性あふれる販売拠点があるのに、手をこまねいている経営者もいないはずだ。だが、その生産拠点や販売拠点が海外となると話は単純ではない。言葉が違う、文化が違う、常識が違う、カントリーリスクがあるなどの現実がネックとなって海外進出に踏みきれない会社が多い。

帝国データバンク「海外進出に関する企業の意識調査」(2014年10月公表)によれば、「海外進出をしない」と名言している中小企業が全体の約半数にのぼった。正確にいえば、「生産拠点として海外進出を検討していない」が52.2%、「販売拠点として海外進出を検討していない」が48.4%にのぼった。その理由は不明だが、私が予想した理由はこうだ。海外進出する「必要がない」、「したくない」、「できない」の三つだろう。

1.海外進出する必要がない
国内市場で充分やっていけると判断した
2.海外進出したくない
メリットよりもデメリットの方が多いと判断した
3.海外進出できない
資金面、人材面などの理由によって海外進出する体力がないと判断した

同調査では、海外進出している企業の割合も企業規模別に調査している。
それによると、
・小規模事業者は15.0%
・中規模企業は28.5%
・大企業は48.6%
の会社がすでに海外進出を果たしている。仮に半数の企業が海外進出しないと想定しても、中小規模の企業の半数以上がこれから海外進出することになる。日本企業の国際化はまだしばらく続きそうである。

あとは、海外進出の方法論である。大別すると「直接海外展開」と「間接海外展開」の二種類がある。

直接海外展開とは、
・現地法人の設立
・生産拠点の設置(支社・支店など含む)
・販売拠点の設置(支社・支店など含む)
・現地企業との資本提携(M&A 含む)
・直接輸出(商社経由などは除く)
などの方法をいう。

間接海外展開とは、
・間接輸出(商社や取引先を経由した輸出)
・業務委託(生産委託など)
・業務提携(技術提携など)
などの方法をいう。
自社の資本力や人材力、ビジネスモデル、技術や製品サービスの特色などを最大限に活かす進出方法を検討する必要があるわけだ。

次の問題として、海外展開する場所としてどの国(都市)を選ぶか、ということを考えねばならない。それに関しての調査結果もあるが、今日は紙面が尽きたので明日にしたい。

<明日につづく>