●「弱点は無視して強味に集中しよう!」というが、自分の強味が分からない人も多い。
先日、ある女性起業家に「あなたの明るさは大いなる強味ですね」と申しあげたところ、謙遜も含めてこう反論されてしまった。
「武沢さん、私の明るさは親譲りの個性です。明るいだけでは長所といえません。明るい・暗い、前向き・後ろ向き、慎重・大胆、保守的・革新的などは、どちらが良いという問題ではなく、どちらも強味であり、弱みでもありますから。本当の私の強味ってなんなのか、実はよく分からないのです」
●たしかに個性と強味は別問題だろう。
その人にとって価値あるもののために個性が意図して活かされたとき、初めて強味になる。
●ドラッカー研究で名高い札幌の佐藤等先生いわく、「強味は過去にあり。しかも強味は動詞で語られる」とのこと。
過去に答えがある、というのは納得できる。
学生や子供のころも含めて過去に最高のパフォーマンスをしたときを思いだしてみよう。
受験勉強の時か、それとも運動会や文化祭のときか、部活やサークル活動のときか、趣味に没頭したときか。あるいは何かのプロジェクを成功させるために連日徹夜で打ち込んだときか。
とにかく人があっけにとられるほど没頭した経験が一度ならずあるにちがいない。そこにあなたの強味がある、と佐藤先生。
●もうひとつの「強味は動詞である」というのは半分だけ合点がいくが、半分は疑問が残る。
私の場合は、「文章を書く」「人の話を聞いて本質を理解する」というスキルは自分の強味であると思っている。(独りよがりだが)そして、それらはたしかに動詞である。
●だが「ストレングスファインダー」で見つけた私の強味には、「最上志向」、「目標志向」といった”志向しているもの”が私の強味だという結果が出た。それらは動詞ではない。
ちなみに「ストレングスファインダー」とは、『さあ、才能に目覚めよう』(日本経済新聞社)で紹介されている強味探索システムのこと。
●2002年5月14日の「がんばれ社長!」でこの本を紹介したが、これが今でも売れ続けていて、異例のロングセラーになっている。
所定のホームページにアクセスし、30分ほどの時間をかけて質問に答えていくと、自分の強味がどこにあるのか、ずばり教えてくれる。
その結果をもとにこの本を読んでいくと強味の活かし方がよくわかる。
「才能に目覚める」と書いて「じぶんにめざめる」と読ませるところが粋だ。
●このホームページを利用するためのIDが本に印刷されているのだが、同じIDで何度も利用することはできないため、自分の強味を知りたい方は本を買ってオリジナルのIDを手に入れるしかない。
●同書によれば、個人の強味は次の34の資質のなかにあるという。この34の中で特に強い5つを自覚し、それを伸ばしていこう。またチームのメンバーは互いの強味を理解し、活かしあおうと提言している。
・アレンジ Arranger
・運命志向 Connectedness
・回復志向 Restorative
・学習欲 Learner
・活発性 Activator
・共感性 Empathy
・競争性 Competition
・規律性 Discipline
・原点思考 Context
・公平性 Fairness
・個別化 Individualization
・コミュニケーション Communication
・最上志向 Maximizer
・自我 Significance
・自己確信 Self-assurance
・社交性 Woo
・収集心 Input
・指令性 Command
・慎重さ Deliberative
・信念 Belief
・親密性 Relator
・成長促進 Developer
・責任感 Responsibility
・戦略性 Strategic
・達成欲 Achiever
・着想 Ideation
・調和性 Harmony
・適応性 Adaptability
・内省 Intellection
・分析思考 Analytical
・包含 Inclusiveness
・ポジティブ Positivity
・未来志向 Futuristic
・目標志向 Focus
以上の34資質。
●大切なことは、強味を自覚すること。「私の強味は○○○です」と言いきれるようにしよう。
さて、私の強味が何だったのかも含めて明日、もう少し書いてみたい。