●9月8日号「戦略フォーカス」の続き。
前回の内容 → http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=3659
●絵馬札に「一億達成!」と書いた女性起業家の渡辺志津江社長(仮名、30才)は決意を忘れないために、デジカメでその写真を撮り、手帳に貼りつけた。
それを毎日見て、やる気を駆り立ててきたが、半年経った今でも売上げは全然伸びていない。やがてやる気が失せてきてしまった。
●ある日武沢に会ってこう聞かれた。
「渡辺さん、一億というのはキリのいい数字ですが、それは短期の目標ですか?それとも長期目標ですか?」
口をにごす渡辺に武沢はさらに聞いた。
「今の月収はいくらですか?」
すると、わずか20万円程度でしかないことがわかった。
●「30才で20万円の社長だからって、何も恥ずかしがる必要はありません。それが現実なのですからそこからスタートしましょう」
そのあと、武沢はこう続けた。
年間で240万円の収入しかない人が一億の夢を見るのは結構ですが、あなたに今必要なものは遠い将来の大きな夢より、近い未来の現実的な目標です。その方があなたにとって大きなモティベーターになるはずです。
●時々自分の給料すら遅配する渡辺に必要なことは、毎月決まった日に確実に30万円(20万円ではなくもう1ランク上)もらえるようにすること。同時に、それによって会社が赤字になることなく、まっ黒の黒字決算がやれることではなかろうか。
そういう状態を60日~120日以内に作ることが彼女の人生を劇的に変える。
●あたたかい太陽の光でも、レンズを使って焦点をあつめれば炎をまき起こす。渡辺社長のエネルギー(体力、気力、情熱、時間、お金、技能など)のすべてを一点に集中した目標をつくっていただくことにした。
それを「戦略フォーカス」という。
●「戦略フォーカス」は、通常は60日~120日の間で達成したいただひとつの目標で、その一点を突破することで一気に明るい未来展望が開ける目標である。
●ビジネスでは、それが業績目標であることが多い。しかし、開発目標や社内の変革目標、人事制度に関する目標の場合もある。
結局、渡辺社長は「一億達成!」という目標を長期目標と位置づけ、戦略フォーカスとして次のように三ヶ月後の目標を文書化した。
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私は平成23年9月30日まで月商100万円、月粗利80万円を達成することにより、月収30万円、営業利益20万円をコンスタントに計上し続ける会社を作ります!!
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●3×3のマンダラの中心角に上記の「戦略フォーカス」を書き、周囲の8マスに詳細な計画を書いた。
・Aマス・・・魅力あふれるサービス(商品力)
・Bマス・・・スマートな営業(営業力)
・Cマス・・・ソーシャルメディア活用(コミュニケーション力)
・Dマス・・・開発力(オンリーワンメニューづくり)
・Eマス・・・チームマネジメント(パートナーとの連携)
・Fマス・・・セルフマネジメント(時間、学習、健康)
・Gマス・・・業績と資金
・Hマス・・・リフレッシュ、楽しみ
●それをマンダラ手帳に書き込み、さらに月間計画も同じ書式で作りあげた。こうした作業に数時間を要したそうだが、この数時間の格闘は、彼女のビジネスを確実にレベルアップさせるはずだ。
●さあ10月。今週から今年の第4四半期が始まる。
この最終四半期で何を達成したいか、あなたらしい「戦略フォーカス」を定めよう。
本当に正しく立派な「戦略フォーカス」が定まった人は明朝の目ざめからして気分が大いに違っているはずだ。目覚めの気分ほど正直なものはないのである。