●「おにいちゃん、これ栄養があるよ」と母に言われ、お椀に入った麺を食べた。子供ながらに、何ておいしいんだろう!と思った。
四才の夏のことである。思えば、あれが私のラーメンデビューだった。
●今から53年前の今日(昭和33年8月25日)、日清食品から「チキンラーメン」が発売された。世界初のインスタントラーメンの誕生である。
新しもの好きの私の母は、発売と同時に八百屋で手に入れ夕食のおかずとして出してくれた。
●一袋85グラム入りで35円。当時の大卒初任給が13,467円、国鉄初乗りが10円なので、今の物価に換算すると数百円したことになる。
決して安くはないが、食糧事情が充分ではなかった当時、人々はお湯をかければ完成するおいしいラーメンに群がった。
●この大ヒットが、今日のインスタント麺の一大マーケットを作りあげることになる。日本国内だけでも2008年度の生産量は52.5億食、一人当たり年間消費量40.9食に達するという。
●事業の失敗ですべてを失っていた当時の安藤百福氏(日清食品創業者)。辛うじて残った自宅で当時48才だった彼は、苦心惨憺してチキンラーメンを完成させた。さらにその8年後にはカップヌードルの開発にも成功し、市場は世界に広げた。
●売れるものを作ることに心血を注ごう。
人々が欲しているものを投入すれば、販売努力は不要になる。告知すれば良いだけだ。熱心に口説かなければ売れないものではいけない。
●日本中、世界中をマーケットにするも良し。ごく狭い地域の人々を対象にするも良し。特定のニーズをもった人だけを対象にするも良し。
とにかく、対象者が熱狂的に支持してくれるものをウリモノにしたい。
儲けすぎだよ、と周囲からやっかみを言われるぐらいであらねばならない。「そんな薄利で大丈夫?健気(けなげ)ですね」と言われるようでは経営者として赤っ恥なのである。
●飛ぶように売れるものをもつ。
そういう事業の突破口が何もなく、低収益にあえいでいる段階で「経営計画書」だけ立派なものを作っても効果は乏しい。
●ときには、管理力を高めることが突破の力になることもある。
売上げがほとんど伸びない市場でも利益を倍増させることは充分に可能だ。その場合はマネジメント力向上が「経営計画書」の主題になる。
●先日の津末ゴルフ(北海道)の津末社長(仮名)にも私はそのことを申しあげた。何が突破口になっているのか、伝わってこなかったからだ。
●経営計画作りの指導者が喜ぶような体裁だけにこだわった計画書を作ってはならない。
仮にA4一枚だけであったとしても、社長自身が勝利の予感がプンプンする計画書なのであればその方がはるかに良い。
●まず、計画書のタイトルが重要だと私は思う。
世間一般で通用している呼び名を使うのはひとまずやめよう。
「経営計画書」
「経営方針書」
「経営指針書」
「事業計画書」
「ビジネスプラン」
どれもつまらない。そんな文字が表紙に書かれているのを見て、喜ぶ社長や社員はいない。大切なのは言葉とイメージである。躍動感あるものにしよう。
●一例だが、こんなタイトルの計画にしてはどうだろう。
「Go for the billion(10億)」
「Opotunity unlimited」(チャンスは無限)
「株式会社○○ 業績V字回復計画」
「百年繁盛計画」
「2012 成功実現計画」
「今期 必達プラン」
「ナスダック上場計画」
「利益10倍増計画」
「所得&休暇/倍増計画」
・・・etc.
●次にこだわるのは表紙のデザイン。次の言葉を入力して画像検索しよう。
勝利、達成、革命、成功、挑戦、ゴールド、アスリート、変革・・。
もし気に入った画像が見つからなければ、「フォトリア」のような有料画像サイトからみつければ良いだろう。
★フォトリア http://jp.fotolia.com/
我社の未来を象徴する画像を表紙に使おう。プロのデザイナーに表紙と標準ページのデザインを頼むのもよい。仲間であれば格安で頼めるだろう。
●「タイトルやデザインだけでは意味がない」と思われる人も多い。
だが、それは頭で考えている人の意見だ。一度、プレゼンソフトで表紙だけでも完成させてみるとよい。
計画書のタイトルを何にするかという意志決定が即ち、何をなし遂げることが一番重要なのかを象徴している。しかもそれをかっこいい画像があとおしする。
絶対それが欲しいと思う表紙であれば、中味は自分で答えを探すだろう。
●当面は、中には白い紙がたくさん入っていればそれでよい。
そこに、売上げや利益を倍増させるためのありとあらゆるアイデアを書き込んでいけばよいのだ。
●「真っ白い紙だけでは何もイメージできない」という方もいるだろう。
そんな方にむけて「がんばれ社長!」主催のセミナーがある。このセミナーでお配りする書式集に必要な数字や計画を入れ込もう。また、他人の意見や反応も参考になる。あなたが考えているプランがどの程度の可能性があるものなのか、セミナー受講者同士で率直に意見をぶつけあえばよい。
●音声CDの「がんばれ!BAR」でお話ししていることや、付録のPDFもそんな一助になるだろう。特にこの回の収録はまさしくそんな内容になっている。
★「がんばれ!BAR」(テーマ:顧客創造)
→ http://ganbare.pk.shopserve.jp/SHOP/gbar003.html
●お盆が過ぎて装いも新たになった「がんばれ社長!」主催セミナーが9月から開催される。受付開始は近日より行うが、まずは日程だけでも確保しておいていただきたい。
<利益倍増計画の作り方>
・ 9月2日(金) 16時~富山 (受付中)
・ 9月 9日(金)16時~ 東京 (受付中)
★申込み → http://www.e-comon.co.jp/training_show.php
以下は近日受付開始。
・10月 7日(金)16時~ 東京
・10月21日(金)16時~ 名古屋
・11月 2日(水)14時半~ 東京
・11月22日(火)16時~ 大阪
・12月 9日(金)16時~ 名古屋
・12月20日(火)14時~ 東京
・12月23日(金)14時~ 沖縄(予定)
<2012年>
・ 1月13日(金) 東京
・ 1月20日(金) 名古屋
・ 2月10日(金) 大阪
【特別編・・マンダラ手帳作り込み合宿】
・11月19日(土)、20日(日) 晴海グランドホテル(東京)
・12月 3日(土)、 4日(日) 邦和セミナープラザ(名古屋)
「がんばれ社長!」主催ではありませんが、こちらの会場でも同様のお話しをします。
・9月13日(火)17時~ 大阪 「輝き塾」で講演(90分)
・9月15日(木)18時半~ 北京「和僑会」で講演(90分)
・9月21日(水)18時~ 東京 「輝き塾」で講演(90分)
・10月14日(金)15時~ 群馬「NWB協力会」で講演(90分)
・10月27日(木)17時半~ 名古屋 「三五会」で講演(75分)
<2012年>
・1月7日(土) 「高崎自営業者大学」で講演
●「経営計画書の中味は各社各様」という題のこのコラム、正しくは「経営計画書の表紙も各社各様」とすべきだったかもしれない。