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一目惚れする若者

●先週末、和僑会の筒井修会長と夕食をご一緒した。普段は香港だが、こうして時々日本に来られる。そんな時には必ず一度はおいしいものを食べに行くことになっている。お酒は普段からほとんど召し上がらないので、もっぱら味で勝負できるお店へ行く。今回は千種区のイタリアンへ向かった。

●前回の韓国料理にも感動したが、今日はパスタ自慢のお店だとか。
お店に到着し、いろいろ頼んでみたら野菜も肉もパンも美味しかった。
ひと通り注文したあと、まずはコロナビールで乾杯。

「会長、ところで今回の来日目的は何ですか?」
「各地の和僑会にハッパをかけにきたんだよ」
「ハッパ?何かお気に召さないことがありましたか?」
「大ありだよ、武沢君」

●東北地方が被災し、こんな時こそ和僑会が総力をあげて支援しなければならない。
香港を中心にアジア各地の和僑会から支援物資を大量に日本に送っているのに、それがどこかでストップしてなかなか被災地に届かないという。

●業を煮やして会長みずから来日し、関東地区の和僑会の人たちに状況を聞きに行ったそうだ。すると、現地ならではの問題もあることがわかった。
たとえば、

・道路がまだ開通していない
・物資の内容によって梱包を分けないといけない
・コストや手間ひまがかかる
・情報が錯綜している
・現地の受け皿が整っていない
などなど。

「そんな具合に物資を届けられない理由を次々に説明してくれたが、そんな言い訳を聞くために日本に来たのではない。そういう状況のなかでやれることを決めて行動するのが和僑会でしょ」と語気が強くなってきた。

●思わず私が、「すいません」と頭を下げたほど、日本にいて何をしているのかと自分が説教されている気分になった。

「でもね、そんな中、尊敬すべき若者たちにも会ってきた」と筒井会長。ある若者(30代)経営者の話をしてくれた。
あらゆる困難を払いのけながら東北の奥深くまで分け入って支援物資を届けている若者集団がある。

●今回、わざわざ彼らの本部まで行き、代表者に会ってきたという。

彼の名前を連呼しておられたが、私が一向にその名前をメモしないものだから、自らの名刺の裏面に彼の名をフルネームで書いて手渡してくれた。男が男に惚れる、というのはこういうことだろう

●「すごい男だ」
なにしろ、ソフトバンクの孫さんも注目して「会いたい」と連絡した男らしい。
「幾つぐらいの人ですか?」と尋ねると「たぶん30代の半ば」とのこと。
筒井会長の30才も年下である。

●「そんな若者が各地で何人も登場すれば、日本も変わるのでしょうね」と私。

「他人事のようなことを言っていては困るよ。私もあなたも、そんな若者を見つけることと、育てるために和僑会をやっているのだから、まずはあなたもこの若者に会いに行くべきではないか」

世界でたくさんの人物を見てきた30才年上の男を虜にする若者とはどんな人物か、だいたい想像がつく。

●年配者が忘れかけている無謀さを持っているのだろう。彼らの近くにいて話しを聞いているだけで、こちらもワクワクしてくる相手である。

「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ 大和魂」
(吉田松陰)

損得よりも善悪を考え、問題よりもチャンスを見、考える前に身体が動く、そんな若者を年長者は愛する。

●思わず一目惚れし、周囲にも自慢したくなるような30才年下(20才年下でも可)。

そんな若者をあなたの会社に引き入れることができたら、後継者対策はなかば成ったようなものである。

そんな若者とビジネスのパートナーシップを組むことができたら、社業発展の可能性は大いに高まるはずである。

★和僑会 http://www.wa-kyo.org/