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中国研究会エッセンス

昨夜、名古屋にて「中国研究会」を開催した。

「がんばれ社長!」1月30日号でご紹介した香港貿易発展局顧問の筒井社長をお招きし、日本の中小企業が中国といかに取り組むべきかを語っていただいたもの。

北は北海道から南は山口県まで、中国との取り引きを視野に入れた真剣な経営者が参集し、緊張感あふれるムードで会が進行。その後の名刺交換会や懇親会は、個別企業ごとの相談会と化した。

参加された方の会社はじつに多種多様。製造業、卸売業、eコマース、飲食業、建設業、金融業、語学翻訳サービス、不動産、デザインオフィス、・・・etc.

参加出来なかった方からも多数のメールが来ている。

・「どんな話をされたのかレジメや資料を送ってほしい。」
・「講演テープを購入したい。」
・「東京(大阪)で開催してほしい」

などのリクエストが届いているが、ご期待に沿えるのは三つ目だけだ。

筒井さんご自身が香港に渡って20年。その間、香港に何が起こったかを見てみると興味深いことがわかる。それは産業構造の変化の早さだ。

1950年代以前・・・貿易中継港として発展
1950年代・・・・・工業都市として発展(人口200万人)
1970年代・・・・・工業都市の座を台湾・韓国に譲り、自らは金融・不動産・観光・運輸・情報サービスなどいわゆるサービス         産業にシフト(人口400万人)
現在・・・・・・・ピーク時には製造業比率が40%あったものが、4%低下。(人口700万人)

この20年間だけを見ても、人口が75%増えているにもかかわらず、失業を増やさずに製造業比率が10分の1に低下している。つまり、昨日まで工場のラインで働いていた人が、今日からスーツで営業に歩くということをやってのけたのだ。働く人々のこの変わり身の早さと、たくましさに驚くべきではないだろうか。

さて、昨日の筒井社長の講演や二次会での懇談のなかで、印象に残った言葉を抽出してみた。

・「世界一の技術大国・日本」と「世界一のローコスト大国・中国」がタッグを組めば最強のドリームチームが出来上がる。そん  なパートナーの国がわずか2時間という隣の県くらいの近さにあるのは幸運だと思うべきだ。もし南米やアフリカの位置にあ  れば、日本の中小企業は四面楚歌だったに違いない。

・大企業といえども中国との接し方に甘さが目立つ。それは欧米で成功したやり方をそのまま中国でも使おうとしているから。そ っくり同じやり方が中国でも通用すると思わないでほしい。

・中国との取り引きにおいて、一番大切な考え方はローリスク、できればノーリスク・ハイリターンを考えるべき。最初は、委託 生産くらいのノーリスクから取り引きを開始するのが現実的だろう。

・中国で販売し、中国で代金を回収する。しかもそれは独資(独立資本)が望ましい。たいへんむずかしいチャレンジではある  が、巨大な市場をもつゆえ、夢のある挑戦だ。

・中国の人たちの国民性が理解できないと言われるが、タテマエとホンネという表現でいうと、中国のほうが日本よりホンネ社会 だと思う。

約束の内容をきっちりと書面にしておいてガードが固い相手だと思われることも大切だが、最終的には全幅の信頼をおけるパートナーを見つけることに尽きる。私も何度かだまされそうになった経験がある。だか、今では「この相手が、もしだますのだったらトコトンだまされてやろうじゃないか。」と思えるほど信頼できる人と出会うことができた。そうした人を見つけることが、案外一番たいせつなことなのかもしれない。

今から中国?そんな重い腰をあげていて大丈夫だろうか?中国はすでに日本のみならず欧米の企業でも埋め尽くされているのではないか?チャンスはすでに逃したのではないか?

答えは「ノー」だ。急ぎすぎて初期段階でつまずいた企業が多いゆえ、そんなに埋め尽くされてはいない。今からが本当のチャンスではないかと思う。

筒井社長の次回来日は4月になる。

その時には、会場を拡大して東京・大阪・名古屋をキャラバンして「がんばれ社長!中国研究会」を開催する。
基調講演+個別相談会だ。個別相談会においては、あなたの会社の製品サンプルやサービス概要をプレゼンしていただき、筒井社長に次のいずれかの結論を出していただく。

1.NG(No good)・・・現時点では中国でうまくいくとは思えない。
2.NI(No idea)・・・まだピンと来ないが良かったらふさわしい人を紹介するから会ってみますか?
3.IR(I will research)・・・面白そうなので一度調査をしてみる。
4.NG!(Now go!)・・・それは面白い。すぐに中国へ飛ぼう!もしくは、視察ツアーを組むので参加してみないか。

「1」と「4」は頭文字だけは一緒だから間違えないように。

また、今年の夏をメドに、筒井社長に現地の企業や市場をご案内していただく「がんばれ社長!中国視察ツアー・・脱・額に汗する戦略」を計画している。今の中小企業には、こうした実務的な手引きをして下さる経験豊富な日本人経営者が必要なのだ。

1/30号「中国とどう組むか」
http://www.e-comon.co.jp/SampleE-comon/backnumber/030130.htm