●「小粋でパンチがある経営理念を作りたいが、どうも業務案内のようなつまらない文章になってしまう」となげく社長が多い。
経営理念を作るときには、コピーライティングの才能が多少は必要である。いや、理念に限らず経営計画の文章や見出し、営業ツールやホームページの原稿にいたるまで、ある程度の作文力がないと思いを相手に伝えられない。どれだけ本を読んできたかが今ほど問われる時代はかつてなかったかもしれない。
●しかし、技巧に走りすぎるのもよくない。
外見はキレがない経営理念であったとしても、思いの強さにおいて秀でていれば、いつか名文句に出会える可能性がある。大切なのはコピーライティングの前に、社長の思いがどこにフォーカスされ、どの程度強いか、ということだ。
●時間があるときは私も一緒になって経営理念をつくるお手伝いをすることがある。
運がよいと、その場でバチッと経営理念が作れることもある。
今までも、印刷会社、外構工事会社、ホームページ会社、ビジネスホテル、床屋、工作機械、自動車修理、鍛造、ペット理容、工具販売などの会社の経営理念づくりをお手伝いしてきた。今もそれを気に入って使っていただいているのをみると嬉しいし、中には急速に会社が変わっていったところもある。
●「何を誰に伝えたいのか」を決めて、それを2分間スピーチにしていただくとよい。
あるいは、経営理念として伝えたいキーワードだけを何個かいただければ、あとは私が経営理念を作成代行する。武沢から原案を三案ほどメールするので、そこから選ぶというのはどうだろう。
実際、かつてそうした代行サービスを検討したこともある。
だが、結局、それはやめにした。
●社長が、産みの苦しさを味わえないからだ。理念をつくる段階のなんとも言えない悶々とした気持ちを味わうことも大切だと思う。
とはいえ、何かの発想支援があればそれを社長にご紹介したいとは思ってきた。
最近、友人があるサイトを教えてくれた。私のブログのエントリータイトルが全然だめなのでこれを使ってみてはどうかというのだ。
●そのサイトは、『ホッテントリー・メーカー』という。
ブロガーにはかなり有名なサイトらしいが、今まで私はまったく知らなかった。
★ホッテントリーメーカー
http://pha22.net/hotentry/
●本来はブログのエントリータイトルを付けるのを手助けするツールらしい。ブログはタイトルが非常に重要で、ありきたりのタイトルだと中味がよくてもアクセスが集まらない。そんなとき、これを使うとアクセスが集まるタイトルが付けられるのだとか。
●なるほど、ホットエントリー(略して「ホッテントリー」)か。
ものは試しに「経営理念」と入れてみた。すると結構おもしろい言葉がいくつか出てきた。
・駆り立てるのは野心と欲望、横たわるのは経営理念
・日本を蝕む経営理念不在
・わたしはあなたの経営理念になりたい
・経営理念、こうみえて実はツンデレ
・結局、最後に笑うのは経営理念
・決定!日本10大経営理念
なかなか楽しい。
●仮にあなたの会社が「食の安心安全」を強調しているとする。それを経営理念に仕上げたいとき「ホッテントリー」でキーワードを入力してみる。すると安心安全に関してたくさんの言葉が表示される。
・安心安全を極める
・究極の安心、至高の安全
・安心安全で行こう、だって人間だもの
・安心安全バカ一代
・安心安全最前線!
・日本一 安心安全が好きな会社
・世界の中心で安心安全を叫ぶ
かなり使えそうな気がする。
ちなみに「ホッテントリー」では、村上春樹がそのテーマを文書にするとどうなるかも表示してくれる。こちらの方は経営理念支援ツールとしては使えないが、単純に笑える。
●冗談のような言葉遊びツールだが、なかなかどうして捨てたものではない。発想の刺激ツールとして充分に実用的だと思う。
たとえば、「安心安全を極める」にピーンときたとしよう。だがそれだけでは理念としての体裁が不充分なので、一人称と形容詞をくっつけて「私たちは安心安全をトコトン極める会社です」にするとグーンと経営理念らしくなる。
おそるべし、ホッテントリー!
★ホッテントリーメーカー
http://pha22.net/hotentry/