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続・山形ハーネス

※お詫び——————————————————

きのう、おととい、さらにその前日と、私は本メルマガで「山形ハーネス」の専務のお名前をずっと間違って書いてきました。
正しくは佐藤専務、佐藤嘉博(さとうよしひろ)専務取締役です。謹んでお詫びし、ここに訂正させていただきます。佐藤専務ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。

ちなみに、今回の誤りは自分で気づいたものですが、誤りに気づいてもあえてそれを指摘しない庄内武人たちの我慢強さを改めて思い知りました。
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●今、私は快晴の中部国際空港にいる。
フレンチトーストを頬ばりながら窓辺の席に腰かけてこの原稿を書いている。
窓の外は、光があふれてまばゆいばかり。伊勢湾上空に真っ白い雲が浮かんでいるが、雨を降らす雲ではないようだ。その雲の上に広がる圧倒的に広い空間はライトブルーの空。今から沖縄へ飛びたつが、すでに沖縄にいるような錯覚をおぼえる。

●今日は午後から『がんばれ社長!学院』としての初のセミナーが那覇市で行われる。15時からと19時からのダブルヘッダー講演。
一日に同じ内容のセミナーを二回行うのは何年ぶりだろう。ひょっとしたら、初めての経験かもしれない。

●さて昨日のつづき。

『ゲゲゲの女房』を見ていると奥さんの家計のやりくりは大変だろうなと思う。一円でも節約しようとする主婦の心理がよく伝わってくる。

日本中が貧しかったころはそれでも幸せだったが、周囲が豊かになってくると、我が家の貧しさは苦痛になる。家計が苦しいと気持ちの余裕までなくなり、人は感情的になるようで、普段なら怒らないことにも腹をたてる。反対に、普段なら気づかないようなありがたさが身にしみ、他人に対して謙虚にもなれる。

だから人は、ときどき金が底をつくようにできているのかも知れない。

●山形ハーネスの大瀧社長も何度かそうした経済的苦境をくぐりぬけてきた。
そして今期は、悲願の本社社屋兼自社工場を手に入れた。必要としていたスペースの2倍以上の敷地が手に入ったので、工場の半分を仕切って外注先に貸すことにした。

創業25周年の節目に自社ビル工場に転居とは、これほどすばらしい記念はない。それも経営計画書を毎年作ってきたから実現できたのだと大瀧社長は語る。

●会社を訪れると、玄関前の大きな看板がドーンと目に飛び込んでくる。そこには「ROBONESS」の大きな文字が。

「ROBONESS」とは、大瀧社長が一昨年、経営計画発表会用に書き下ろした自社の近未来小説のタイトルだ。
松下電器産業がパナソニックに社名を変えたように、「ロボットハーネスの山形ハーネス」の知名度を『ROBONESS』(ロボネス)に統一したいという想いから造語された。
その後、世間ではロボットビジネスを略してロボネスと称するようになってきたらしいが言い出しっぺは大瀧社長だ。

●小説『ROBONESS』を読めば、同社がこれから何を目指していくのか、映画の場面のように鮮やかに想像することができる。
このA5サイズ55ページの小説を社員に配布し、取引先や求職者、金融機関などにも手渡してきた。
昨年は「がんばれ社長!」読者にもプレゼントした。

その小説を読んでいる私は、『ROBONESS』の看板を実際に見たとき感動を覚えた。

●大瀧社長は2004年に初めて経営計画書を作り、その後も欠かさず作って発表会を開催してきた。
最初は、経営計画を作ってもまったく実行されない項目がいくつかあり、恥ずかしくて経営計画書をそっと引き出しの奥深くにしまい込み、ほおかむりしたこともあったという。

●だが、そんなことを続けていては経営計画発表会にお招きする来賓に恥ずかしい。何よりも社員のためにも自分のためにもならない。
だから、宣言したことは必ず実行しようと決意し、積極的に外部にむかって情報発信しながら、自分を追い込んでいこうと決めた。

●小説『ROBONESS』の執筆もそうだし、それ以前にはメルマガ『会社を変える【よい3!会社と社員の、どう言う会?】』を定期発行し、大瀧流経営を論じた。

2008年には、外部機関に我社の経営を評価してもらおうと「経営革新審査支援機構 全国企業品質賞・中小規模部門」に応募し、見事「ゴールド賞」を受賞した。次は「大賞」を目指すという。

http://www.mig01.com/2009/04/2008%E5%B9%B4%E5%BA%A6-%E5%85%A8%E5%9B%BD%E4%BC%81%E6%A5%AD%E5%93%81%E8%B3%AA%E8%B3%9E%E3%80%80%E8%A1%A8%E5%BD%B0%E5%BC%8F%E3%83%BB%E8%A8%98%E5%BF%B5%E8%AC%9B%E6%BC%94%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5-2/

●そして昨年は「YHP108」を制定した。これは、山形ハーネスフィロソフィの頭文字をとったもので、108個ある同社の哲学だ。
その大分類は次の通り。

・経営のこころ
・すばらしい人生をおくるために
・一人一人が経営者
・日々の仕事を進めるにあたって
・企業理念、職場倫理
・社員としての自覚と責任
・職場の規律
・業務遂行上の規律
・心を高める
・より良い仕事をする(1)
・より良い仕事をする(2)
・正しい判断をする
・新しいことを成し遂げる
・困難に打ち勝つ
・人生を考える
・更に深める

それぞれについて6項目から8項目の細目があり、合計108個になる。

●社内組織は、「品質管理」「生産管理」「製造」「営業」「総務経理」「BP(ビジネスパートナー)」の部署があり、それぞれに部門長がいる。
それ以外に、若手社員の成長を促すために8つの委員会を設けている。

「理念浸透委員会」「スキル向上委員会」「価値創造委員会」「工程改善委員会」「環境改善委員会」「コミュニケーション委員会」「研修計画委員会」「企業品質委員会」の八つで、社員は必ず一つ以上の委員会に所属するようになっているという。

●こうした不断の経営革新が大瀧社長と山形ハーネスを強くしてきた。

次はいつ庄内に行けるのか、楽しみである。
鶴岡に「ROBONESS」の山形ハーネスあり!

★山形ハーネス http://www.yharness.com/