●ゆうべはちょっとワケがあって何年ぶりかに完徹した。明け方に強い睡魔がおそってきたが、コーヒーでごまかし、たった今その仕事が手離れしたところだ。
帰って寝たい気分だが、今日の予定はそれを許されないようだ。こんな時は甘いものを補給して、普段の二倍三倍元気を出し、自ら「お疲れモード」を表に出さないようにせねば。
●さて、今日は会社の数について最近のデータをご紹介したい。
総務省が行った「平成18年事業所・企業統計調査」によると、日本の会社数や事業所数、従業者数などの実態が相当冷え込んでいることが分かる。
これをみて私は、軽いショックを受けている。
●日本はすでに人口減少社会に突入しているが、それを4年前の平成18年時点ですでに織り込んでいるかのような不活発な事業動向なのである。
●まず、前回調査の平成13年対比で事業所数は6.9%(年率1.4%)減少し、従業者数は2.5%(年率0.5%)の減少となった。
事業所数は591万1千事業所、従業者数は5863万4千人、うち男性は3373万1千人(従業者全体の57.5%)、女性は2490万3千人(同42.5%)となっている。
●次いで法人数ならびに事業所の数をもう少し詳しくみてみよう。
( )内の数字は前回の平成13年度調査時からの増減比率。
・法人数 296万社(-0.6%) 5年間で約16,000社減った
・株式会社と有限会社の数 257万社(-2.0%)5年間で5万社強減った
・個人経営 273万社(-12.7%)なんと40万社も減った
・総事業所数 591万社(-6.9%)44万社減った
●「どうした自営業!」といいたい。
この数年、自営業も深く静かに受難の時代を迎えていたようだ。
かつては、自営業の数が法人の数を常に上回ってきたが今回の調査で遂に自営業の地位が陥落した。
積極的な意味で自営業から法人成りしたのなら歓迎すべきことだが、法人数も減っていることから、自営業者が廃業または休業して勤務者になっていった可能性が高い。
●次に業種別に見てみよう。
法人組織で事業所数が多いのは
1位:卸売り・小売り 91万社(1,037万人)
2位:サービス業(他に分類されないもの) 51万社(706万人)
3位:製造業 35万社(933万人)
4位:建設業 34万社(361万人)
5位:飲食店・宿泊業 22万社(316万人)
となっている。
一方、自営業の事業所数では若干順位が変わってくる。
1位:卸売り・小売り 68万社(198万人)
2位:飲食店・宿泊業 57万社(170万人)
3位:サービス業(他に分類されないもの) 56万社(128万人)
4位:建設業 21万社(54万人)
5位:製造業 20万社(59万人)
●従業者数が急増しているのは「医療福祉事業」で、事業所の数に比べて従業者数が圧倒的に多い。
また、この分野は75対25の比率で女性従業者が多く、それに次ぐ飲食店・宿泊業の58対42を大きく引き離している。
その反対に男性の職場は、電気・ガス・熱供給・水道の88対12、鉱業の84対16、運輸の83対17と続く。
●事業所が増えた業種に注目すると、
1位:社会保険・社会福祉・介護事業 (48.2%増)
2位:その他事業サービス(警備、人材派遣、職業紹介など)(11%増)
3位:廃棄物処理業 (10.2%増)
4位:学術・開発研究機関 (7.9%増)
5位:医療業 (7.6%増)
となっている。
●事業所の数を大きく減らしたのは次の通り。
1位:通信業 (35.9%減)
2位:貸金業、クレジットカード、質屋、投資業 (32.7%減)
3位:衣服・その他の繊維製品製造業 (29.8%減)
4位:繊維工業 (27.1%減)
5位:木材・木製品製造業(家具を除く) (19.8%減)
6位:電気業 (18.9%減)
7位:ゴム製品製造業 (17.1%減)
8位:情報通信機器具製造業 (17.0%減)
9位:印刷・同関連業 (16.6%減)
10位:共同組合(他に分類されないもの) (16.2%減)
となっている。
かつては栄華を極めた通信業や貸金業、電気業や情報通信器具関連がこのリストにあるのは何ともさみしい限りである。
●開業率も廃業率もともに低下した。少産少死の傾向がますます強まった日本の経済活力。
政治のせいだとは言わないが、政府はこの状態を放置すべきではない。
カネをばらまくのではなく、知恵の政策によってこの惨状を少しでも和らげることができるはずだ。
★総務省「平成18年事業所・企業統計調査」
http://www.stat.go.jp/data/jigyou/2006/kakuhou/gaiyou/gaiyou.htm
少子化も問題だが、少起業化も大問題なのである。