●二年連続MVP選手になった読売ジャイアンツのラミレス選手。その活躍ぶりは誰もが認めるところだが、舞台裏ではだれにも負けない研究熱心さがあるようだ。
●彼の持論は「野球を支配するのは70%がメンタリティー、残り30%がフィジカル」。
その大切なメンタリティーを強化するための最善の方法が「相手を研究し充分な準備をすること」だというのがラミ流(ラミレス流儀)なのである。
●シーズン中は試合前に過去の試合のDVDを観る。試合後にはその日の自分の打席のDVDを観ることを日課にしている。
また、相手のバッテリーを研究する際には、得点圏にランナーがいるときの捕手の配球に注目する。米国野球に比べて捕手が配球を支配することが多い日本野球では、捕手のくせを見抜けば打率が上がる。
こうした研究熱心さがあって、ここまでラミレス選手がビッグになった。
●ところで、ファンから毎年募集しているラミちゃんパフォーマンス。
ご本人のお気に入りは「アイーン」と「ゲッツ」。アンダーシャツやグローブ、打撃グラブ、リストバンドなどの用具類にも「アイーン」「Get’s」「ラララライ」「らみ茶」などの刺繍を入れているという。
●そのラミちゃんが今年の日本シリーズで、観戦に来た小笠原道大選手の娘にファウルボールを当ててしまった。翌日「ゴメンナサイ」と書いた自身のサインボールを小笠原に渡し詫びたという。
メンタルが大事というラミレス選手が「凄いメンタル」と脱帽する小笠原選手の娘さんに当ててしまったのだから恐縮至極だろう。
●「おいおい、お前は今日全然打てずにファンの期待を裏切ったのだから、もっと下を向いて歩けよ」と普通の人なら思うほど、ラミレス選手は打てなくても明るい。
いや、打撃や守備でファンの期待に応えられなかったときこそ、一生懸命ファンへのサービスをして別の期待に応えるのも彼の流儀なのだ。
●チームメイトとも仲が良い。
坂本や松本といった若手選手とは一回り以上も年令が離れているが、皆、ラミちゃんの回りに集まってくる。
「日本に来たら、外野手はほとんどみんな、僕よりうまいんだ」とラミレス選手。だから、「レフトフライが飛んできたら取りに来てね」と松本や坂本に頼んである。
最初はジョークだと思っていた彼らだが、いつもそう言うので本音だと悟った。
●今年、センターの松本選手が新人王になれたのも、明らかなレフトフライを何度も猛然と取りに行ったからかもしれない。もしそうなら、ラミレスのおかげだ。
普通の選手ならそんなことは許されないが、ラミレス選手だけは別格のようだ。
誰にも負けない研究熱心さと誰よりも明るく、誰よりもファンを大切にする、そんなラミレスがいる限り来年も巨人は頼もしい。
巨人に限らず、そうした選手がどんどん出てきてほしい。
(今日は札幌のホテルの朝食会場で読んだ報知スポーツとウィキペディアを参考に書きました。)