★テーマ別★

体系的な社員教育の進め方

今日の午後「体系的な社員教育の進め方セミナー」を開催する。私にとって初開催のセミナーだが、以前からやりたかったものでもある。社員教育といえば35年前を思い出す。26歳のとき、初代の社員教育担当職を命じられた。「私が社員教育するのですか?」と確認したところ、社長は「そうではない」と言った。「君が直接社員を教育するのではなく、社員教育の制度を構築してほしい。しかも急いでやってほしい。おおむね2~3年でかたをつけてくれ」と言われた。

それ以前はスポーツ店の売り場でスキーやゴルフを売っていたわけだから、社員教育とはまさしく青天の霹靂だった。そこでひとつお願いをした。「社長、半月ほど学習期間をいただいてよろしいでしょうか。社員教育関係の本を読みあさります。読書レポートは毎日書きますので会社で本を読ませてください」

すると社長は「君に任せる。ひと月後には今後の仕事の進め方を計画書にして提出してほしい。それからこのセミナーは君に受講してきてもらいたい」とチラシを渡された。そのセミナーの内容について書いたのが2013年6月6日号のこの記事である。

13/6/6 「新しい規律をつくる」
http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=4273

その後、何回かにわけて本屋で「社員教育」と名がつく本をすべて買ってきた。50冊はあっただろうか。手取り月給が10万円程度だったので、本代はすべて会社に払ってもらった。50冊を2週間で読み、要点や気づいたことを毎日社長にレポートした。社長からもすぐに返事がきたので、教育に関する考え方のすりあわせができた。

その50冊のなかの一冊に小さな広告が載っていた。産業労働調査所という会社の広告で『企業と人材』などの専門誌を発行していた。当時、年間購読料が30,000円ほどだったと思う。私はそれを私費で申し込んだ。そして『企業と人材』はアパートに届くようにして会社に内緒にした。私はその専門誌を誰も知らないニュースソースとして活用することにしたのだ。

社員教育に関する知識や情報、事例はあっという間に私の頭の中やノートやレポートに蓄積されていき、一年もしないうちに「教育のことは武沢に聞け」という空気が出てきた。教育に関しては社長よりも総務部長よりも詳しくなったのだ。当然、私の評価も上がった。最高クラスの「S」をもらい、同僚たちのボーナスが35万のとき私は60万もらった。年間購読料3万円のマル秘ネタ本のおかげで大儲けさせていただいたわけだ。

そのときの仕事が次の三つである。

1.教育体系図にもとづく体系的教育システムを構築した

2.資格(試験)制度を導入した。研修受講履歴と業績履歴、資格試験(ペーパーと面接)などを昇進昇格の選考条件にとり
いれた。

3.社内報の毎月発行を行った。目的は社員間の親睦ではなく、社長の私設新聞と位置づけた。経営計画の考え方の浸透や教
育的社風の涵養を目的とした B5版サイズ8ページの社内報である。このとき、社長に文章を鍛えられた。今メルマガが書
けるのはこのときの特訓のおかげかもしれない。

会社にはインフラとして「経営計画書」がある。新卒者の定期採用も始めたばかりだった。評価制度とそれにもとづく賃金賞与システムもできていた。そこに新たに教育制度と社内報をドッキングさせたことで会社は大きく変わりはじめた。爆発的に変わった、と表現した方が実際に近い。何しろ落伍者が続出したからだ。中堅やベテランが次々に去っていく。「そんなセミナーなんか出ておられるか」「読書感想文なんて書いたこともない。だから本は読まん」とうそぶいていた先輩たちが降格になっていく。「へん、降格できるものならしてみろ、誰も俺の後釜(店長職)はつとまらんぞ」と言っていたベテラン店長のあとに入社3年生(24歳)が就任し、業績を大きく伸ばすのをみてカルチャーショックを受ける先輩。本人が会社に残って再起を計る決意があれば何度でも再挑戦してもらった。だが、大抵は黙って(時に怒って)会社を去っていかれた。彼らはおおむね若く、日本の景気も良かったので誰ひとり路頭に迷う人は出なかった。

おかげで会社はその後10年足らずで「店頭公開」企業になった。社員の成長スピードに会社があわせるのではなく、会社が計画している企業成長スピードに社内をあわせる。ハードワーク、ハードスタディの連続だが、若い人たちは皆、それを楽しんだ。

プライベートを後まわしにして奮闘努力し、持株会に2万円の満額投資してきた社員は株価が5,000円を超えたとき億万長者になった。上場したとき私は会社を辞めていたので億万長者になりそこなっているが、後輩から「武沢さん、ありがとうございました。億を超えました」と電話をもらった時のことをはっきり覚えている。

今日の午後のセミナーではその「教育体系」にもとづく教育の進め方をレクチャーさせていただく。かなりテクニカルなセミナーになるが、中小企業経営には必須の内容であると思っている。

8/19(水)体系的な社員教育の進め方セミナー(名古屋開催)
http://www.e-comon.co.jp/session/?p=5706

8/26(水)体系的な社員教育の進め方セミナー(東京開催)
http://www.e-comon.co.jp/session/?p=5723

※このセミナー、引き合いが多いので年内にもう一度開催する可能性もあります。