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「がんばれ!ナイト」余話

●「毎朝5時50分起床、7時半出社。それをやると決めてから一日たりとも破ったことはない。電車が遅れていたとか天候がどうだったとかの言い訳も絶対しない。自分が見ているからやるだけ。それに失敗したら経営者である僕の油断。そんな経営者がやっている会社はすぐに潰れてしまう。だから毎朝、眠気に打ち克つことが第一」

●先日の「がんばれ!ナイト」での増永社長のスピーチには胸が打たれた。当日参加された方々も絶賛する内容だった。

私も増永社長の講演は初めてお聞きしたがこれほど堂々と、かつ見事に講演をされる方だとは失礼ながら予想外のことだった。

「講演は年に二回しかやらない」とお決めになっているそうで、この日の「がんばれ!ナイト」が今年二回目だった。つまり今年はもう講演をされないそうだが、実にもったいない。

でもそれが本当の社長業だろう。

●広告不況ともいわれる当世事情のなか、モバイル広告を本業にする増永社長のライブレボリューションは逆風をついて業績絶好調。
そうした経営力のたしかさが背景にあるせいか、控えめに話されるスピーチの内容がかえって凄みに感じてしまったのは私だけだろうか。

●まず、増永社長の簡単な経歴から。

1974年、奈良県生まれ。
1999年3月、早稲田大学大学院を修了後、4月大和証券株式会社に入社
2000年8月 (株)ライブレボリューションを設立
2003年5月 メルマガ『プレジデントビジョン』発行
2005年4月 モバイル広告代理店事業に参入
2007年9月 『宇宙一愛される経営』出版
2009年3月 『仕事頭がよくなるアウトプット勉強法』出版

●私も最前列で増永講演を聞きながら、『プレジデントビジョン』創刊時のあるエピソードを思い出していた。

それは数年前のこと。
ある経営者が「私が注目している若者で増永さんという人がいる。武沢さんのメルマガに広告を出したいそうなので、まずは一度会ってみてほしい」と言われ、渋谷のカフェでお目にかかった。
日記を調べてみたらそれは2003年4月、増永社長が29才、私が49才の時だった。

●お会いしてまず、そのイケメンぶりにびっくりしたのだが、互いに挨拶もそこそこに彼から用件を切り出した。

「武沢さん、来月から私はメルマガを創刊します。その最初の告知は武沢さんのメルマガにお願いすると以前から決めていました。よろしいでしょうか」と言ってくれた。
私は気分がよくなり、なんて好青年なのだろうと感心し、喜んでお受けした。

●だが、打ち合わせを終え握手して立ち上がりかけた私に向かって彼は、一転して挑戦状をたたきつけた。

「武沢さん、僕の計画でいけば1年以内に『がんばれ社長!』の読者数2.4万人を超えて3万人にしてみせます」

●おいおい。
腰を浮かせていた私はもういちど座り直し、説教めいたことを申し上げてしまった。

「増永さんね、それはムリだとは言わないが、あまり意味があるとも思えない。作者と読者はじっくりと双方向の信頼関係を作りながら自然に読者数が増えていくような状態が望ましいんだと思うよ」

だがそれに対して増永さんは、
「それは充分に分かっています。でも私は武沢さんとは別のやり方でやってみたいし、勝算はあります。その結果はいつかまたご報告にあがりますので」と言って立ち去ってしまった。

●世間はSARS問題で今の新型インフルエンザ以上に揺れている時期だったが、私の心はSARS以上に揺れた。

その時の「プレビ」初広告がこの記事中広告(2003年5月2日号)である。→ http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=124

●50にもなる大のオトナが3年間もコツコツやってきて読者数が24,000人。
それに対して20代の若者が書いたメルマガが広告宣伝費を使ったとしてもそれを超せるはずがないし、万一超えたとしても望ましい成果には結びつかないだろう。そう私は思っていた。いや、そう “期待していた” というべきか。

●そうなると大変器が小さくなる私。
自分の読者数が抜かれたくない一心で、増永さんのメルマガを購読しないことにした。
だからその後の読者数のことも気にかけずにいたら、しばらくしてメールを頂戴した。増永さんからのものだった。

「武沢さん、公約通り読者数目標3万人に到達しました」とあった。

日付をみたらまだ2003年9月だった。一年以内と彼は言っていたのに、創刊わずか4ヶ月目で3万人を突破してしまったことになる。
しかも、とっても面倒なHTMLメルマガの発行で。

●今、氏がライフワークだというメルマガ『プレジデントビジョン』の読者は18万人である。
私よりあとに創刊したメルマガが読者数で追い抜いていくこと自体には特別な感情をもっていない。すごいともすごくないとも思わない。
だがこの時は、発行者自らが私の前でそれを宣言し、楽々とそれを達成したことと、最初の告知が「がんばれ社長!」であったことなどから特別な思いが残った。

●実はこのメルマガ創刊時、増永さんはネット広告業界の実情を丹念に調べ上げ、「がんばれ社長!」の月間広告売上もリサーチしていたらしい。
その結果、この当時のメルマガ広告では「『がんばれ社長!』が一番稼いでいた。武沢さんはかなり儲けているはずだ。毎月の広告だけで250万から300万は稼いでいる計算になる」と思ったという。

実際はそうでもないのだが、目の付けどころはシャープだ。

●その後も定期的にメール交換したり、名古屋に立ち寄られたときには “ひつまぶし” や熱田神宮にご案内したりした。

その次に強烈なインパクトをもらったのは2007年10月のことだった。

●その時はお会いした瞬間に一回りも二回りもスケールアップされていることが分かった。もちろん肉体がではない。
たぶん、自信と実績から発するオーラのせいだと思う。

●クレド(信条)を成文化し『宇宙一愛される経営』を執筆したことが氏をバージョンアップさせたのではないかと思う。

そのとき私が受けた衝撃をメルマガにしたのが2007年10月23日号である。→ http://www.e-comon.co.jp/magazine_show.php?magid=1991

この日、私は本格的に氏から学ばねばならないと思った。ストイックになることに対して。

●おっと、今日は増永さんとのエピソードだけで紙面を費やしてしまったようだ。この続きは明日にしたい。

★『宇宙一愛される経営』(増永寛之 著、総合法令出版)

★メルマガ『プレジデントビジョン』 http://www.president-vision.com/

★「がんばれ!ナイト」→ http://www.e-comon.co.jp/training_show.php