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反響 悪法も法なり

予期に反して、昨日の『悪法も法なり』には多数のメールをお寄せいただいた。なるほどと思われる箇所を要約してご紹介してみたい。

まずは匿名の方から。法にも二種類あることを気づかせてくれる内容だ。

・・・今回初めてメルマガの感想をメールさせて頂いております。私、若輩ながら小さな組織を運営させて頂いているものですが、常日頃注意している点があります。それは、『組織構成しているもの全員が、組織を構成するための要件の一つである『ルール』を提案できる立場にあることを確認する機会を定期的に持つ』ということです。

その反対の例として挙げられるのが、よくある学校の校則などだと考えます。もちろん、学校によっても様々な差異がありましょうが、かなりの割合で非常に『抑圧的』な環境にあり、学校という組織の一端を担う生徒側からの提案を受け入れる体制が用意されていない・・・といった現状があると考えます。ひょっとすると、経営者の立場というのは一歩間違えればその学校の例えの一つになりかねないものだと私は考えます。特に中小・零細企業にありがちな『資本家=経営者』という組織形態のもと、いつのまにか『誰も文句(若しくは意見)が言えないワンマン社長』になってしまう危険性を充分に孕んでいる・・・のではないでしょうか?

当然としてルールを遵守し、それに沿った行動をしていくことは重要なことです。それと同様に、『私たち一人一人が組織を構成しているんだ!』と意識できるような組織を作っていくことも経営者にとって、また全員にとって必要不可欠なものであると考えます。・・・

なるほど。『悪法も法』とは言え、法の主旨もわからずに強制される規則やルールには従いたくないだろう。出来るものなら、すべての人たちに規則やルールの主旨を分からしめる必要がある。さらには、ルールや規則というものは、社員もそれを作る立場にあるのだと教えることには充分な意味がありそうだ。

悪法といえども法律だ。まずは守ってから意見を言おう。一度も守ったことがない人間に意見は言えない。ならば、悪法すらない会社、つまり何も決め事がない組織で働く人は何を思うか?

J.Mさん(32歳)の意見

・・・はじめまして、いつも楽しく読ませていただいています。私は経営者ではありませんが、今回の「悪法も法なり」を読んで心に思う事がありメールをさせていただきました。私は、今、立上たばかりの某・福祉関係の会社に勤めています。この会社は、社長の知り合いの人達を中心に作った会社なのですが、信じられない事に就業規則も無ければ賃金規定もありません。社長にとって知り合いが多いせいか、なあなあになっていて、そこで働く人達も組織で働いた事がある人が極端に少ないせいか、誰も何も言わないのです。つまり、ここには「悪法」すら存在しないのです。何度か規則やルールを提案しましたが、「まあ、そんなに硬苦しく考えなくても。」と一蹴されました。私の様にたとえそれが悪法でも、今すぐに欲しいと思っている者もいるのです。悪法であっても、それがなければ統率が取れず組織としての機能が果たせないと私は考えます。
・・・

JMさんの悲痛な叫びが伝わってくる。「悪法すらない」というのは、時として大きな混乱を呼ぶようだ。

大阪の北野さんは、法にも攻撃性と守備性の両面があると説く。

・・・『悪法も法なり』、個人的にはなかなかタイムリーなものでしたので、メールを送らせて頂きました。
というのもセルジオ越後氏と金子達仁氏の共著「予感」という本を先週読みまして、ちょうど似たような内容の話が書かれていたからです。
結論としてはスポーツの世界では反則ではない狡さが上手さとなる
世界なので、敢えて赤信号を渡る(原則を破る)事で結果が得られるような世界であり、青信号を守って(原則通りにこなして)いれば勝てるものでは決してない、というものでした。その辺りを克服しないと、日本サッカーは世界でなかなか通用しないとお考えのようでした。

この両氏とさいとうたかを氏のおっしゃる事はほぼイコールだと思います。そして基本的にはこれらの考え方を私は支持したいと思います。ですが、武沢さんのおっしゃるように組織作りの上ではかなり問題のある考えなのですよね。ただセルジオ氏と金子氏のこの主張は主に攻撃に関する主張だと思われます。守備には守るべき鉄則があり、それは絶対に守らなければならず、逆に攻撃にはこうすれば絶対に点が取れるという鉄則はなく、日本人のメンタルは守備に向いているという趣旨の事も書かれていました。

企業に置き換えると、組織を守る上での守備的思考と、売上を伸ばす上でこれまでになかったモノや考え方をする攻撃的な思考という風に捉える事ができると思います。

P.S
今日の話と重なるような重ならないような話ですが、映画の「アリ」を見てきました。アリの生き方を改めて見て、ある歌の歌詞にあった、「譲れない事を一つ持つ事が本当の自由さ。束縛されない事が自由じゃない」というのを思い出しました。

その他にも数通のメールを頂戴しています。ありがとうございました