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東北を旅して

●今日は気楽な旅行日記なので、お時間がある人だけ読んでもらいたい。

この数年は、一年に一度は夫婦旅行をするようにしている。ちょうど今ごろの時期になると、翌年一年の計画をたてるのだが、その時に夫婦旅行の行き先も決めてしまうのだ。

●今年のお目当ては紅葉と温泉。山形県の銀山温泉と蔵王温泉二泊三日の旅だった。

本当は、のんびり夫婦旅行などしている気分ではないが、計画通り、なかば強制的にでかけると、すぐに仕事を忘れて旅行気分に浸りはじめることができる。
そんなに話すこともないので、文庫本が欠かせない。

●初日の10月17日(金)は、銀山温泉の能登屋旅館さんに宿泊した。

江戸時代のある時期、文字どおり銀が算出されて隆盛を誇った銀山温泉は、後に湯治場として栄えた。
今は”大正ロマン湯の町”というキャッチフレーズで温泉ファンから人気をあつめている。
外国人女将がいる温泉旅館としても話題になったが、今、その宿のおかみは母国へ帰ったままだという。

今回は、銀山温泉のなかでも最も古い旅館「能登屋」さんで一泊した。

★銀山温泉 http://www.ginzanonsen.jp/

●東京駅から東北新幹線に乗って3時間半で「大石田」駅へ。そこから送迎バスで約20分で銀山温泉に到着する。
ただよう湯けむりと清流・銀山川にはニジマスやイワナが泳ぎ、温泉街全体が大正時代の湯治場にきたような気分にさせてくれる。

地の素材を使った郷土料理に地酒の組み合わせは最高。源泉かけ流しのお湯にゆっくりつかって一泊1.5万円はお値打ち感充分だ。

女将の話によれば、1月から2月いっぱいの積雪シーズンも絶景だとのこと。新雪に包まれた銀山温泉も見てみたい。

●さて二日目は大石田から新庄駅を経由して鳴子峡へ。

ここは東北屈指の紅葉スポットとして一度は訪れてみたい場所だった。
大石田から新庄を経由し、陸羽東線に乗り換えて鳴子温泉へ向かう。

その途中に鳴子峡を超えるのだが、橋の上で徐行する。そのとき進行方向に向かって左側の渓谷が絶景なのだ。私は右側も良いと思ったが、車内アナウンスは左を見ろと言っていた。

●残念ながら今年の鳴子は暖かくて紅葉が遅いらしい。平年ならもう見頃なのだが、ことしはまだ20%程度というところか。

すぐに引き返して今日の宿泊地、蔵王温泉へ向かうことにした。新庄から山形までは快速電車で70分。山形から蔵王温泉までは観光タクシーをチャーターし、蔵王のお釜やこんにゃくの名店を案内していただいた。

●蔵王はちょうど今が絶景。全山紅葉とはこのことで、山全体が赤く染まっていた。
「こんな蔵王はみたことがない」と運転手さんも言うほど快晴無風の蔵王のお釜周辺は、夕日と紅葉と白雲のコントラストが絵画のように美しかった。

●蔵王温泉街に入ると、硫黄(いおう)のにおいがきつくなる。
私は泉質のなかでは硫黄泉が一番すきで、白濁したお湯と硫黄臭に包まれると疲れが溶けていく。

我々は斎藤茂吉ゆかりの宿「わかまつや」さんに宿をとった。お湯も料理も最高。食事中に「料理をストップしてください」と言いたくなったほどボリュームも満点で大満足。

★わかまつや http://www.wakamatuya.co.jp/

●湯守(ゆもり)とでも言うべきか、お湯担当のスタッフが一人いる。
男女あわせて七つある浴槽すべてが源泉かけながしで加水も加温もしていない。それでいて、浴槽ごとに41度、42度、43度の三温度を保つことができているのは湯守のおかげ。

温度調整は湯量の調整で行うのだそうだ。ちなみに「わかまつや」さんの湯守は、元サラリーマンとして品質管理部門におられた方で、お湯の品質管理にも相当うるさそうだった。こうしたスタッフがいる温泉宿は安心できる。

●最終日は山寺へ。

いままで何度も山形を訪れていながら、縁がなくて山寺へは行っていなかった。今回はじめて訪れることができて本望をとげた。
比叡山延暦寺の別院と言われるだけあって、見事な修行道場だ。

帰りは仙山線(せんざんせん)で仙台駅へ。地下のレストラン街には塩竃の「すし哲」さんや牛タンの「き助」さんなど、宮城を代表する名店がたくさん入っていて、どこで食べようか迷ってしまった。

●この二泊三日、我々は何度か険悪な雰囲気になったがそれも含めてまた新しい思い出ができた。
来年どうするか、これから相談して決めようと思う。