Rewrite:2014年3月26日(水)
ある会社の経営方針発表会での出来事。終了後の立食パーティで入社一年目の新入社員が社長に質問した。
「社長、どうして毎年売上高や利益を上げていく必要があるのですか?」
社長は答えた。
「それはだね、我々全員が豊かになるためだよ。」
社員はけげんな顔をしていたが、多分理解していないだろう。経営者は、なぜ売上高や利益をあげる必要があるのか?それを社員が理解できる言葉で伝えてあげよう。
1.従業者の生活を安定させるため
2.勉強する費用を稼ぐため
3.有能な人材を採用するため
4.健全な資産バランスを作るため
5.新しいチャンスに投資するため
もう少し具体的にみてみよう。
1.従業者の生活を安定させるため
社員や経営者の収入を安定させることと、基準法に沿った労働環境を整備することである。収入面や時間面からくる不安が長引いては、生活が安定しない。
2.勉強する費用を稼ぐため
社会全体のことから経済、経営、実務にいたるまで私たちが知るべき知識や技術は多い。目の前の実務をこなす勉強だけではやがてアンバランスな人間になる。しかもその勉強とは、社会人になってから学ぶものが大半である。そうした費用を稼がねばならない。
3.有能な人材を採用するため
会社全体の成長を確保するためには、絶えず組織に有能な人材を補充していかねばならない。欠員が出たから補充するという採用計画ではやがて成長が止まる。
4.健全な資産バランスをつくるため
まず、つぶれない会社にすること。不況が長引いても雇用不安を起こさない会社にすること。そのためには、他人資本への依 存度を下げて、自己資本を充実させなければならない。
5.新しいチャンスに投資するため
これは挑戦のための費用だ。そして挑戦には失敗がつきものでもある。新事業への参入や、新製品の開発、技術開発や研究開発など数年後のために支払う経費を確保しておくこと。
こうした5つの理由によって会社は絶えず収益を向上させていかねばならないのだ。別の表現をすれば、この5つの取組みを実行せずに上げた収益には意味がない、ということだ。
戦略的に使うべき勘定科目はこうなる。
1.採用求人費
2.研修教育費
3.研究開発費(製品開発・商品開発・業態開発など)
4.合理化投資(主にIT投資など)
5.広告宣伝費(その方法や金額については吟味すべきだが)