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「まさか!」というタイミングで安倍総理が辞任した。
初の戦後生まれの総理として、その若さとスマートさに期待していただけに、まことに残念だ。

小泉の再登板だ、いや麻生だ、いや小沢だと永田町もマスコミも政局に大騒ぎしているが、結局、今の政治システムを根底から変えない限り、トカゲの尻尾切りのように総理一人が悪者にされる状態は今後も続くだろう。

今回の安倍辞任を彼一人の個人的資質や健康問題として片付けてはならない。自民党の問題であり、日本の政治家の問題であり、政治システム(国会を中心とする議会制民主主義のシステム)にまで踏み込んで改革しないかぎり、日本国そのものが変わらないように思う。

それには幾つかの点で変えるべき事がある。

まず、政治の世界に有為な人材が流れ込むような仕組みが必要だし、「産官学政」の人事交流をもっと活発にすべきだろう。

インターネット時代ならではの選挙制度や意見具申制度なども必要で、国民と政治家、国民と国会がストレートにつながっているという実感を持たせてもらいたい。

それとは別に、今日は少々乱暴ながら、「総理一人制」の廃止を提言したい。いや、「総理複数制」の導入と言うべきか。

各省庁の大臣に権限を委譲しているとはいえ、もはや一国の総理の仕事を一人で担当するのは無理と認める。
総理のポストを2名~5名のチームにするのだ。

どのように役割分担しても構わない。内政と外交という具合でも良い。
ドラッカーが、「考える人」「動く人」「顔になる人」という三つの資質がトップに必要、と言うように、総理の座もそういう分け方をしても良いだろう。
小泉元総理の場合は、この三つを比較的うまく持ち合わせていたまれなタイプではなかろうか。

『現代の経営』でドラッカーは、CEOも複数だと述べている。

CEOは一人、というのは迷信だというのだ。
半世紀も前から、社長は複数でやれ、と言っているのは驚くべき慧眼。

その利点は、
1.CEOの孤立化を防ぐ
2.後継者対策
であるという。

孤立化と後継者対策って、今の政治にぴたり当てはまる。

「責任の所在はどうするのか」とか「対外的にはどうなるのか」などの諸問題を乗り越えてまで検討してみる余地があるのがトップ複数制。
この視点にご興味がある方は『現代の経営』(上巻)256ページからの箇所をお読みいただきたい。

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