ウィークリー雑感

ウィークリー雑感

昨日の記事のつづき

何をするかも未定のまま家を売って家族とカンボジアに来た。この先どうやって家族を養おうとしたのだろう。奥さんや子どもは不安ではなかっただろうか。

私が独り言のようにそういうと、筒井さんはしばらく沈黙し、やがて口をひらいた。

「武沢君ね、誰かが誰かを一生養うなんてことを本当に約束できるのかね?」
「…」
「夫として男性として出来ることは、自分は何があっても愛する人を守ってみせるという気概を示すしかない。それを口約束だけに終わらせず、一貫した行動で示す。その積み重ねが家族からの信頼感になっていく。黒川さんもそういう人だったんじゃないかな」

長びいた内戦の影響で今も都市部以外では地雷が埋まっている。いまだ戦禍のあとが生々しいポルトガルのシェムリアップで黒川さんは孤児院の支援をはじめた。その後、ボランティアの限界を感じ、ビジネスで収益を出して、それを社会に還元しなくてはならないと考えた。そこで黒川さんは養豚場や魚の養殖事業を手掛けた。さらに、国民の 8割が従事する農業に、日本の技術やノウハウを注入することで農業を成長させようと考えた。

80ヘクタールの農地を購入し、日本の農家のサポートを受けながら作物を栽培している黒川さん。収穫物は主にベトナムやタイに飼料として輸出している。多くの現地人を採用し、マネジメント力を高めて農業ビジネスの基盤を強固なものにするのが当面の目標だという。

同時にいま黒川さんが最も力を入れているのは日本企業のカンボジア進出の支援活動である。他のアジア諸国にくらべて民主化が遅れた分だけ発展の余地がたくさん残されている。カンボジアの人たちは人柄が穏やかで親日的でもある。世界を見てきたが、これほどチャンスに満ちた国は少ない。カンボジアはまるで”最後の楽園”のようだと黒川さん。

かつては、同じ日本人でも信用できなかった。むしろ外国人よりも警戒すべきは同国の日本人だと言われたこともある。しかし、それではお互いに傷つけあうだけ。日本人同士が信頼しあい、助け合おう。そこで東北の震災復興の合い言葉となっていた「絆」という言葉から、首都プノンペンの中心部の一角を黒川さんは「絆ストリート」と名づけ、そこに日本企業を誘致する活動を開始した。いまのところ飲食店を中心に 9店舗が進出し、今後はオフィスビル、ビジネスホテル、教育機関や医療施設などさまざまなものを日本人と日本企業のために開設していくという。

黒川さんのブログをみると、こんな言葉が見つかった。

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【5つのビジョン】

・一人でも多くの日本人に「カンボジア」を伝える
・一人でも多くのカンボジア人に「日本」を伝える
・一社でも多くの日本企業(本気の!)のカンボジア事業進出を支援する
・カンボジアの 100年先を見据え、新しい価値、文化をカンボジアと日本で共創する。
・日本人の誇りを持ってカンボジア、世界にて行動&発信する事で日本とカンボジアの価値を高め、日本とカンボジアの発展
に貢献する
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カンボジアの 100年先を見据えている今を生きている人がカンボジア国内に何人いるだろう。この一文を見ただけでも、すでに黒川さんはカンボジアにとってなくてはならない人になりつつある。これが「和僑」だと思う。

【お知らせ】

カンボジア和僑会の会長・黒川治郎さんが年明け早々、日本に一時帰国されます。「名古屋和僑会」では 1月 7日(水)の夜、黒川さんの講演会を企画しました。黒川さんの起業家魂に触れれば「よし、今年一年がんばるぞ!」という新鮮な気持ちになれることでしょう。私もすぐに申し込みました。あなたもいかがですか。できれば懇親会までご一緒しましょう。

「最後の楽園カンボジアで日本人街を創り上げた秘話」
2015年 最初に聴くセミナーはこれ! 名古屋和僑会主催
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