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換金可能時間

昨年12月から記録し始めた使用時間調査は、今日で7週間目に突入した。過去これだけ長期にわたって記録したことはないので、かなり実態を正確に表した調査結果が出ていると思う。

機会があれば公表するが、おおむね次のような結果になっている。(正月3日間を除く)

◆一日平均勤務時間  14時間
◆平均睡眠時間   5.5時間
◆在宅時間      3時間
◆他の時間     1.5時間

大切なのは勤務時間14時間の中味だが、昼食時間は含むが、夜のお付き合いは含まない。従って実働は約13時間になるが、その中味を見てみると、生産行為と非生産行為に分けることが出来る。

非生産行為とは、仕事に直結しないメールの処理や、サイトの更新、何かの会合・勉強会への参加、調査・研究・企画・準備・社内会議、それに移動時間などだ。

「がんばれ社長!」の発行をどちらに入れるか悩んだ。何しろ毎日3時間を費やす主力仕事だ。毎週上位ベスト3にランクインする大切な時間だ。私の場合は、マガジン発行によって広告収入を得ているので、生産行為と見なした。

その結果、生産行為は60%、非生産行為は40%であることが分かった。ここでは、一概に非生産行為を悪者にするつもりはない。それは必要なものであることが多い。むしろ、実態を正しく把握することが大切だと申し上げたいのだ。

私の話はこれくらいにして、以下は個人事業主や専門家に限られる話かもしれないがお聞きいただきたい。

経営者が何によって報酬を得ているか、それは時間だ。時間を有形・無形の生産物に置き換えることが仕事である。
特に専門家や個人事業主は、文字通り自分の時間が直接的に収入や利益の源となる。

Aさん(30才)は、3年前に一念発起してホームページプロデュース業として独立。有限会社を設立した。
奥さんが経理面で応援してくれる他、在宅勤務のアルバイトはいるものの、基本的には個人会社だ。

そのAさんが今年、はじめて事業計画書を作った。

それによると、年間売上高目標2000万、原価(外注費)200万、粗利益1800万、経費1600万、税前利益200万という初年度計画になっている。Aさんの年間総労働時間は3000時間だ。(10時間×300日)

経費1600万の内訳は、Aさんの役員報酬1000万、奥さんの給料100万、家賃や交通費などで500万円。

この場合Aさんが得る成果は、役員報酬+法人利益の1200万円ということだ。
つまりAさんは3000時間働いて1200万円を得ようとしているのだ。単純に計算すれば、時間給4000円ということになる。

さて、生産行為に費やす時間は、「換金可能時間」と考えることが出来る。Aさんの場合でみると、年間労働時間の3000時間すべてではない。

Aさんの生産行為はどの程度あるのか聞いてみたところ、詳しく調査したことはないが、おおむね50%ほどだという。

さあ、あとは簡単だ。Aさんは勤務時間のすべてから時給4000円を稼ぐことが出来れば目標に到達できる。

生産行為つまり「換金可能時間」は3000時間の半分の1500時間なので、顧客への見積金額を提示するときには、時間単価8000円でコスト計算しなければならない。仮に、そうして積み上げた見積もり額が市場競争力のないものであればどうするか。

答えは三つに一つ。

・目標を下げるか
・換金可能時間を増やすか
・時間単価8000円にふさわしい仕事をするか

である。