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システムを見直す

2月11日は日本サッカーにとって苦い日となった。
アメリカとの親善試合、1軍対2軍の試合をみているような押されっぱなしの展開。結果こそ2対3だったが、0対3になった段階でアメリカ選手は笑っていた。喜んでいたのではなく、笑っていたのだ。

主力選手を欠いているとはいえ、相手選手が15人もいると思えるほどアメリカチームのユニホームが目立った。
同じ人数で戦っているはずなのに、なぜだろう。アメリカには、世界クラスのスーパースターがいたのか?

否。

アメリカにはスーパースターといえる選手は一人もいないと言って良かろう。個人技の差ではなく、組織力やシステム力の差ではないだろうか。
もしこの試合を、組織やシステムの専門家がみたら何て思うだろう。

たとえば、一兆円の利益をあげ、今なお改革を止めないトヨタ。生産でも営業でも、個人技ではなく組織力やシステム力を重視してきた会社だ。
「トヨタ生産方式」は、日本が世界に誇る生産システムとして、業種業態を超えて世界中に知れ渡り、影響を与えてきた。

その生みの親が書いた本が『トヨタ生産方式』(大野耐一著、ダイヤモンド社)という本なのだが、この本の魅力は、わかりやすい例えにある。

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たとえば、8人で漕ぐボート、9人の野球、あるいは6人制のバレーとか11人でやるサッカー、いずれも勝負を左右するカギはチーム・ワークである。スター選手が一人や二人いても必ずしも勝てないところが面白い。
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ボート競技の例。
もし、めいめいの選手がチームワークを意識せず、目一杯漕いだらどうなるか。きっとボートは蛇行するに違いない。
ボートはまっすぐ進まないと相手に負けるのだ。

もしバレーボールで6人対9人で試合したらどうなるか。9人の方が有利といえるだろうか?ひょっとしたら9人もいては回転レシーブもままならず、6人側のほうが有利なのではないか。

陸上競技のバトンリレー。バトンを手渡し、受け取る、という作業があるにもかかわらず、4人が別々に走った記録を合わせたよりも早いタイムがでる。それはなぜか。

それはリレーゾーンのおかげだ。
リレーゾーンがあるから失速させないで済むし、強い選手が弱い選手をカバーできるのだ。
だから「遠足は一番足の遅い子のスピードになる」という常識が当てはまらない。


さて、「ウチの会社は物づくりしていないからシステムなんて関係ない」、などと思わないほうが良い。

営業職やサービス職、事務職にも知的生産システム、サービス生産システム、事務生産システムが必要なのだ。

・がんばってるんだけど・・・
・忙しいのだけど・・・
でも成果や利益につながらない、という時に今一度見直してみたいのが、あなたの会社の生産システムだ。