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ウィークリー雑感

方針を発表しても社員が無反応

(昨日のつづき)
なぜこうなるのか? 一つは、シチュエーションの問題。
仕事を終えて疲れきった時間帯に、しかも職場内で行なったことに原因がある。方針の内容に集中できていない可能性がある。

できれば、通常の会議や打ち合わせとは一線を画す意味から、社外の会議室を借り、休日に開催するか、半ドンにして午後に開催するのが望ましい。
更に理想を言えば、作業着ではなく全員がジャケットにタイを着用し、外部から来賓を招いて発表会を開くと良い。そうすることによって、発表する経営者本人も、それを聞く社員も背筋がピンとする。

二つめは、作り方の問題だ。

方針をまとめ上げるプロセスに社員を参加させよう。誰だって上意下達の方針ばかり聞かされていては快く思わない。自分の意見が反映された方針であれば、受け取り方が全然違ってくるものだ。

M瓦店の場合

名古屋のある瓦施工企業「M瓦店」では、創業以来初の方針発表会を開催することにした。一流ホテルの会議室を予約し、看板制作も依頼した。来賓予定者にも案内を出した。方針もバッチリ決めた。
あとは当日を待つばかり・・・のはずだったが。

発表会の前日になって、主力取引先から会社の方向性を変えるような魅力的かつリスキーな申し出が舞い込んだ。

M専務は困った。「どうしよう、この申し出への対応如何で会社の方針は大きく変わってしまう。明日の発表会中止しようか。それとも、このままやるべきか」

結局予定どおり開催した。だが、会議室正面に掲げられた看板の文字が変わっていた。当初は、「M瓦店第25期方針発表会」とあったのが、「M瓦店第25期方針相談会」となっていた。
方針発表会ではなく、方針相談会に変えたM専務の苦肉の策は、結果として大成功をもたらした。皆が会社の将来を決める場に参加できたのだ。相談会の二週間後、発表会が行われた。
社員は、当然それを歓迎した。


読者メール

1.リッツカールトンについて 大阪の中林さん(男性、会社経営)

1月27日号で武沢さんは、
「忘れたYシャツを送り届けられてビックリ。着払いで良いと申し上げたのに、元払いであるだけでなく、バチッとクリーニングまでされていました。しかもメモで、「また武沢様のお帰りをお待ちしています」参った!」
と書かれていますが、参ってもらっては困ります。宿泊料いくらお払いでしたか。洗濯と送料1200円位です。普通のホテルに泊まってこのようなことがあれば感激してみんなに紹介するのもいいですが、リッツなら当たり前です。

<武沢より>

中林さん、メールありがとうございました。
私の場合、「幾ら支払ったからそれくらい当然」とか「幾らなので、しようがないか」などという判断基準はもっていません。恥ずかしながら、Yシャツをホテルに忘れることは年に1回ほどありますが、こんな印象的な対応をしていただいたのは初めてなので、ご紹介したまでです。

2.ライブドア事件について 京都の西村さん(男性、勤務)

 いつも楽しく拝見させて頂いています。今回のライブドア事件に関しての意見はまったくその通りだと思います。ここでメディアも何らかの責任を取らないと、また同じことが起きると思います。しかし、視聴率第一主義、もしくは情報の垂れ流しの間はそれも難しいのかなと悲観さえしてしまいます。(後略)

<武沢より>

たしかにメディア全体が夕刊紙化しているような気がします。また、井戸端会議を延々と放映しているかのような番組も目につきます。
 GEの元会長、ジャックウエルチ氏は、「警察・学校・メディアの三つの管理機関を掌握することが革命成功のカギ」と言っていますが、メディアの影響力は絶大であることを当事者たちがどの程度認識しているのか疑問に思います。反体制、反権力という思想も結構ですが、それが低俗なゴシップ探しになっている場合も見受けられます。

余談ですが、日本という国を変えるには、ウエルチの三つだけでなくそれに政治家と経営者を加えたい。
政治家、経営者、警察、学校、メディアが足並みそろえて、新生日本の建設に力をあわせるような取り組みが必要だと思います。


3.東京、男性、経営者、Aさん

先日、東京非凡会に参加させていただいたAです。
今回のライブドア騒動について、改めて東京非凡会で武沢先生に聞いた「経営理念」という言葉について考えました。
今回の問題は堀江社長が中心となって行われたのではなく、ナンバー2以下の役員が取り仕切っていたようです。
取締役のコメントに「堀江が喜ぶ顔が見たくて」というものがありました。もっと喜ばせようと思う気持ちが強くて道を踏み外したのでしょうか。
夢ばかり語る社長をしっかり支えた脇役で有名なのがホンダとソニーです。本田宗一郎を支えた藤沢武夫、井深大を支えた盛田 昭夫。彼ら脇役も社長の喜ぶ顔が見たかったと思います。
その彼らが道を踏み外すことが無かった理由を考えるにそれが共有する思い「経営理念」にあるのではないかと思いました。
ちなみに、IT業界では後発ながら絶大なるブランドを築き上げたGoogleの経営陣は株式分割に全く興味がないそうです。そのGoogleの経営理念は「邪悪にならない(Don’t Be Evil)」だそうです。
私も社是を作ろうと思います。

<武沢より>

おっしゃる通りだと思います。ライブドア社の真相についてはわかりませんが、株主を喜ばせよう、社長を喜ばせようという動機には問題がありません。正しい動機だと思います。
しかし彼らには私心があったから目が曇ったとしか思えません。
結果として株主や社員、取引先を大きく裏切ることになったのです。

私企業から公開企業になる段階で、順法精神と法律・ルールに関する知識と心構えを充分に勉強しなおすべきでした。他山の石にしたいものです。

今週の本

・『ブログ道』(久米信行著 NTT出版)

  「メール道」に続く久米社長の新著です。売上げや収入につなげる手段としてのみブログを利用するのでは、あまりにもったいない、と感じる好著。自己  と向き合い、濃密な日々をおくるための自己実現ツールとしてブログを使おうという提案。
  私はこうした骨太の考え方、好きです。
  久米さんのブログ http://plaza.rakuten.co.jp/enginekimyo/ 
  久米さんの本「ブログ道」
   http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4757101694/