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社長と社風

大陸性寒気団の影響で、各地で記録的な豪雪となった。名古屋では58年ぶりの大雪らしい。
寒気団が風に乗って南下してきたおかげなのだが、その風って、どこで発生し、どこで終わるのだろう?

お天気の「風」以外にも、私たちは日頃から「風」にまつわる単語をたくさん使っている。

味には”風”味があり、個人には”風”貌や”風”格がある。
地域には”風”習や”風”俗が、世間には”風”評や”風”説が、学校には校“風”が、家には家”風”が、会社には社”風”というものがある。

これらは、全部「風」がつく単語なのだが、その意味を明鏡国語事典でひくと、「様子、様式、やり方、しきたり、流儀」というような解釈がみつかった。

では「社風」とは何か。

社風とは「会社の性格」とか「会社の文化」などと言われているが、社風を、「明るい・暗い」とか、「活気がある・ない」などの漠然とした解釈でとらえてもあまり意味がないだろう。
それでは人間の性格と同じで、なかなか変えられないものが社風だ、という結論になってしまう。
そうではなく、「あなたの会社ならではの考え方、やり方」というように理解していくと、意図的に好ましい社風を作っていくことができるはずだ。

余談だが、文化といえば、サルにも文化があるのをご存知だろうか。
宮崎県の幸島のサルたちは、サツマイモを食べるのに、海岸まで出かけ海水で洗ってから食べるという。それは、この島のサルだけに伝わる「文化」なのだ。

学者たちによれば、この島のサルの一頭がある時、偶然サツマイモを海岸で海のなかに落とした。それを取ってみると、泥も取れていて適度な塩気で美味かったはずだ。そこでこの島のサル達は、それを見て学習し、以来イモ洗いをするようになったというのが定説だ。

サルにだって文化があるということは、人間の組織に文化がない方がおかしい。問題は、どの程度強い文化か、また、どの程度発達した文化なのか、という問題だ。

さて、冒頭のクイズ。
「大会社と中小企業、社風が強いのはどっち?」

・・・正解は大企業だ。

これは、『中小企業白書2005』の中でみつけた調査結果なのだが、出典は中小企業金融公庫が2004年11月に行った「経営環境実態調査」である。
従業員規模別に企業風土の形成における経営者の影響を調べたもの。

A・・代表者の人柄、考え方が影響した社風が表れている
B・・代表者の人柄、考え方とは関係ない社風が表れている
C・・社風のようなものはない

とした場合、次のような結果になった。

  従業員数    A    B   C   合計
  20名未満   69.8%   9.2%  21.0% 100.0% 
  21名~50名  76.5%  11.7%  11.7% 100.0%
  51名~100名  77.5%  11.2%  11.3% 100.0%
  101名~300名 78.1%  13.1%   8.9% 100.0%
  301名以上~  81.3%  13.4%   5.3% 100.0%

小さい会社ほど社長の個性が強く表れた社風かと思いきや、その逆だ。企業規模が大きいほど代表者の人柄がストレートに反映されているのだ。視点を変えれば、代表者の個性が社風に大きく影響しているからこそ大きな会社になったとも言える。

<明日に続く>