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結果と成果

昨日の続き。
例えば、野球の試合で相手が4点を取り、こちらが2点を取ってゲームセットになった場合でも、「結果」と「成果」は分けて考えられる。
それが、『すごい考え方』(松林博文 訳、中経出版)の著者、ハワードゴールドマン氏の考え方だ。そしてハワードは、積極的な未来を作り出すリーダーは、絶えず「成果」の方に目を向けた発言を心がけるように同著で提案している。

4対2という試合の場合、「結果」と「成果」ではどう違うのか。

<結果の発言>
・相手が勝って我々は負けた
・相手の方が強かった
・我々は運が悪かった

<成果の発言>
・全力を尽くしたし、我々の力も捨てたものではない
・チームの団結力を強められた
・何より楽しめたし、モラール(士気)があげられた


野球の話題が出たので、2005年のパシフィックリーグ公式戦の成績を集めてみた。ここにあるデータはすべて「結果」である。

      勝 敗 分 
千葉ロッテ  84 49 3 
ソフトバンク 89 45 2 
西武     67 69 0 
オリックス  62 70 4 
日ハム    62 71 3 
楽天     38 97 1 


<打撃成績>
チーム 打率 試合 打数 安打 本塁打 盗塁 犠打 四球 三振 

千葉ロッテ .282 136 4730 1336 143 101 56 438 902 
ソフトバンク .281 136 4624 1300 172 72 86 356 818 
西武 .269 136 4611 1240 162 70 88 437 926 
オリックス .260 136 4616 1202 97 44 97 376 835 
楽天 .255 136 4577 1166 88 41 70 347 919 
日ハム .254 136 4734 1203 165 53 54 349 1151 

<投手成績>
チーム 防御率 勝 敗 完投 完封 被本打 与四球 奪三振 失点 

千葉ロッテ  3.21 84 49 28 12 131 283 826 479 
ソフトバンク 3.46 89 45 22 14 107 380 1062 504 
オリックス  3.84 62 70 9 11 136 357 855 587 
日ハム    3.98 62 71 9 10 136 467 787 606 
西武     4.27 67 69 22 12 147 377 1020 636 
楽天     5.67 38 97 18 2 153 451 771 812 

この「結果」から、「成果」を読み取ってみよう。
私がもし楽天の監督ならば、まず三木谷オーナーにこのようなチーム方針を伝えるだろう。

<結果1>
・今シーズンは38勝97敗で、ダントツの最下位でした。
  ↓   ↓
<成果1>
・初年度の今年、いきなり38勝できました。来年は相手チームから、それぞれあと6勝することを目標にします。そうすれば68勝で勝率5割となり、プレーオフ進出が濃厚になります。

<結果2>
・打撃成績は、チーム打率こそ5位でしたが、安打数、ホームラン数、盗塁数など最下位でした。
  ↓   ↓
<成果2>
・チーム打率は日本ハムを上回りましたし、三振数も悪くありません。
来期は100打数あたりあと2本ヒットを打てるようにバッティング練習をし、チーム打率2割7分5厘の打撃成績を目標にします。

<結果3>
・投手成績は、防御率5.67はブッチギリの最下位。完封数にいたっては2しかなく、ホームランや失点は与え放題。壊滅的な投手陣です。
  ↓   ↓
<成果3>
・四死球を与えたあとにホームランという形で失点を重ねましたが、投手陣の力量が他チームと比べてそんなに遜色があるとは思いません。一試合あたり相手に与える四死球を1減らし、失点を2減らすことを目標に取り組めば、来期、充分互角に戦えるでしょう。

そして何よりも、念願かなって東北の方々に愛されるプロ野球チームが誕生したことで、ファンや選手も盛りあがっています。プレーオフ進出を合い言葉に、選手やコーチも燃えていますよ。


結果がおもわしくなかったことに対してため息をつくリーダーではなく、可能性に目を向けてチームをポジティブに率いるリーダーになりたいものだ。

『すごい考え方』(ハワードゴールドマン著、中経出版)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4806122963/